「ニューヨークで津波救援基金
 チャリティーコンサートを開きます」


2005年新年明けましておめでとうございます。
 
 

美しい南のビーチも今は・・・


「おめでとう」 などという言葉すらむなしく響くような年明けとなってしまいました。昨年暮れ、そろそろ年末年始のご挨拶をと思いながら、2004年の出来事に思いを馳せているまさにその矢先のあの大津波のニュース。あいば家の出来事などどこかに吹き飛ばされてしまったくらいのインパクトでした。その後も続々と飛び込んでくる悲惨なニュースに、新年の浮き浮きとした気分もすっかりかき消され、ただただため息をつくしかないお正月でした。


このところ の常軌を逸したような大災害に加え、世界中至る所で繰り広げられる痛ましい出来事の数々。人間同士の諍いも止まるところを知りません。明らかに地球規模で何かがおかしくなっているような危惧を覚えるのは私ばかりではないでしょう。自然がおかしくなるから人間がおかしくなるのか、はたまた、人間がおかしくなるから自然までおかしくなるのか?いずれにせよ、次から次へと我々を襲う天変地異の数々は、我々人間の愚かしい所業のことごとくを見透かしている神様の怒りの現れであるのかも知れない、とさえ思えて来ます。「お前ら、いい加減にしろよ!」という声が聞こえて来そうです。そして、その怒りがまず、何の罪も無い弱い立場の人達に向いてしまったところで、早いうちに気がついて何とか手を打たねばならないはずなのに、どうでしょう、相変わらず、地球上のあちこちで、人間同士が意味も無く(本人にとっては意味はあるのかも知れませんが、マトモに考えたら何の意味も無い…)殺し合い、傷つけ合い、憎み合っています。そして、そんな中で一番の犠牲となっているのは、やはり、子供達をはじめとする何の罪も無い弱い立場の人達なのですね。そんな現実を目の当たりにしながら、さて、では自分自身はどうすればいいのか、何ができるのだろうか、と考えてみても、悲しいかな、まずは被害にあった人々のために僅かな義援金を寄付することくらいしかできません。
 

あまりに悪いこと ばかり立て続けに起こっているせいでしょう、今年の初詣には至る所で神頼みの人達が長蛇の列を作ってお参りしていたという話を聞きました。それを悪いこととは言いませんし、気持ちはよくわかります。日本にいたらきっと私も列に並んでいた一人かも知れません。でも、皆が皆、現世利益と自分だけの身の安全ばかりを願っていても始まらないでしょう。こんな世の中であるからこそ、人はエゴを捨てて、より謙虚にならなければいけないのではないかと思います。他人より少しばかり沢山のお金やモノや大きな家を持っていたところで、いざ大災害にでも見舞われたらひとたまりもないじゃないの、なんて、私がいくら声を張り上げてみたところで負け惜しみにしか聞こえないかも知れないけれど、本当はそう思っているのです。その一方で、もし私にお金やモノが沢山あれば、困っている人達をもっと助けてあげられるのに、とも思います。でも、結局のところは、持て余さずにすむくらいの方が、心安らかにいられるのでしょう。持たざる人間としては、せめてささやかでもいいから、アタマとカラダを使って、自分の出来る精一杯のことをやるしかないわけですが、私個人のことで言えば、有難いことに、一年半前の病気(事故?)から立ち直って、今年は少々汗水流してもいいかな、と思えるだけの体力と気力が戻って来つつあるように思います。勿論、無理をしてまでも、という気持ちはさらさらありませんが、もう一歩前に踏み出すことで、もしかしたら何かいいことがあるかも知れない、という気もします。幸か不幸か(?)、多少のことにはあまり驚かないくらいの歳にはなったようだし(でも、やっぱり幾つになっても「恥じらい」を忘れてはいけないとも思います、手遅れかも知れませんが…)、嫌なコトがあってもあまり気に病むことはなくなって来たし(これを記憶力の減退と見るか、はたまた生来のノーテンキの進行と見るか、そんなことすらもうどーでもよい、といった感じです)、とにかく、神様に「いい加減にせい!」と怒られないように気をつけながら、「驕らず、高ぶらず、他人には優しく、自分には甘く」をモットーに、明るく楽しく過ごせれば何よりと思っています。


話は津波被災者の ことに戻ります。いまひとつ被害状況が把握できないもどかしさや、救援物資や医薬品の不足、義援金をめぐる対応のぎこちなさなどといった話を耳にするにつれ、どうしても同じアジア人として「何かしなければ」という思いがつのりつのって、遂にNY在住の日本人音楽家仲間を集めてチャリティーコンサートを開催する運びとなりました。1月27日(木)午後7時、ニューヨーク市内の日系人会ホールという所で行います。今回日本に行ってしまった殿は抜きですが(あちらはあちらで日本でチャリティーを行うべく動いているらしい…)、本当は親しい仲間数人でごくささやかにやるつもりだったのが、何のかんのと口コミの輪が広がり、話がだんだん大きくなってきてしまい、目下嬉しい悲鳴を上げています。なにせ、決めてから僅か数日間で出演希望者が10名近くにまで達し、まだまだ増えそうな勢い、言い出しっぺの私自身が一番驚いています。下は6歳から上は(多分)60ん歳まで、プロ・アマに関わらず、楽器、歌、と様々ですが、ふたを開けてみたら聴衆よりも演奏者の方が人数が多かった、なんてことにだけはならないようにしたいと思います。でも有難いことに、皆、本当に快く賛同してくれて、ギャラなんて出ないのに、手弁当で駆けつけてくれるのです。企業の人達も喜んで寄付しますと言ってくれるし、メディアの人もすぐ新聞記事にしてくれると言うし、とにかくニューヨークの人達はみんなアクションが早くて気持ちがいい。一応は私が中心になってとりまとめをしているのですが、一緒に動いてくれている人達がどんどんあちこちに話を広げていってくれるので、私の方が追いまくられている感じです。しかも、昨今はメールと携帯のお陰で、連絡が早いこと、早いこと。色々なことが、パタパタと瞬時に決まって行きます。ちょっと前だったら考えられなかったことです。本当に嬉しい。短期間での時間との闘い、これから当日までもっともっと忙しくなると思うけれど、何とか成功させたいと思って頑張っています。そう、なんたって今年は汗水流すって誓ったのだから。
 

ともかく楽しい コンサートにしたい、皆に気持ちよく演奏してもらって、気持ちよく聴いていただきたい。そして、被災地の一日も早い復興を願い、悲惨な状況の中でけなげに生きている子供達が笑顔を取り戻すことのできるよう、皆が少しでも思いを至らせてくれたら、こんなに嬉しいことはありません。ニューヨークでこれを読んで下さっている方、是非聴きに来て下さい!
 

  2005年1月10日

あいばいくこ   


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