7月19日、「重篤副作用総合対策検討会」の第1回会合が開催され、重篤副作用総合対策事業が行われることになった。厚労省HPに資料が掲載されたので紹介したい。
第1回重篤副作用総合対策検討会資料(平成17年7月19日開催)
資料:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0719-4.html
議事録:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/txt/s0719-1.txt
本事業の目的で、「副作用は、臨床医の専門分野とは異なる臓器にも発生し得ることがあり、また重篤な副作用の発生頻度は一般に低く、個々の臨床医によっては副作用に遭遇する機会が少ない場合があり得ること等から、場合によっては発見が遅れ、重篤化することもある」と指摘し、医薬品ごとに発生した副作用を収集・評価して、臨床現場に注意喚起するという、従来までの 「警報発信型」「事後対応型」から、副作用発生機序解明研究等を推進することにより、「予測・予防的な安全対策」への転換を図ることが示された。
今後の事業の進め方としては、まず第一段階として、平成17年度から関係学会の専門家等と連携を図り、専門分野別(皮膚、肝臓、腎臓、血液、呼吸器等)に作業班を設置、重篤度等から判断して必要性の高いと考えられるおよそ120の副作用疾患について、医療現場の医師、薬剤師、看護師等が活用する治療法、判別法等を包括的にとりまとめた「重篤副作用疾患別対応マニュアル(仮称)」を、4年計画で作成する。これらの情報は、医薬品医療機器情報提供ホームページにも掲載する。
また第二段階としては、副作用症例の集積や詳細な解析を積み重ねることにより、発生リスクが高い患者群(例:性別、年齢等)を明らかにし、当該患者群に対して慎重な投薬管理を行うことが可能となるようにマニュアルの改訂を行う。
そして第三段階として、第二段階までの成果の蓄積から発生機序解明の可能性の高いものを選定した上で、リスク因子の解明と副作用の発生機序研究を計画的に推進する。検討会では、これらの事業を通じて、発生リスクの高い患者群への投薬の回避や、副作用の発現を低減した新薬の開発が可能となるとしている。
なお、今回の検討会では、皮膚粘膜眼症候群・重篤な肝障害・無顆粒球症・うつ状態・横紋筋融解症など12分類29の副作用症状が、初年度作成候補として示され、マニュアル作成に向けて作業を進めていくことが決まった。
2005年07月20日 23:00 投稿