特定高齢者と介護予防手帳

 厚労省は10日、現在は自立しているが、何か対策を講じないと将来要介護になる可能性のある高齢者(=特定高齢者)を対象に、「介護予防手帳」(仮称)を交付することを決めた。

 この手帳には、介護予防に関する知識・情報、利用者の記録等が記載される他、生活機能評価や介護予防ケアマネジメントの結果、介護予防ケアプラン、個別サービス・支援計画等の情報を含み、利用者の意欲の向上や関係者との情報を共有し、効果的に介護予防が行うことに活用される。

 この対象となる「特定高齢者」は主に要介護認定において非該当(自立)と判定された人、及び要介護認定の申請は行っていないが生活機能の低下が見られ要介護状態になる可能性が高いと考えられる人などをいい、65歳人口の5%程度(約130万人)いると見込まれている。

 「特定高齢者」は比較的潜在化しやすいこと、また疾病や障害などによって短期間に状態が悪化するという特性を持っていることから、早期発見・早期対応することが必要とされ、主治医からの連絡、地域での保健活動、民生委員等からの相談、基本健康診査とあわせて実施する介護予防のための包括的な生活機能評価(いわゆる25項目の基本チェックリスト)の他、薬局、保健師、家族らからの情報なども参考に、今後、市区町村が対象者を選ぶ。

 薬局が、日頃接している高齢者の中から、対象者である生活機能が低下した人を早期に見つけ出し、地域包括支援センター(予防給付のケアプラン策定や介護に関する総合的な相談やマネジメントを担当するところで、市区町村または、市区町村から実施委託を受けた在宅介護支援センターなどが設置)へ連絡する役割が期待されているとされていますが、本人や家族の知らないところで「通報」するというふうにも考えてしまいます。具体的には、どのように行っていくのか注目したいと思います。

関連情報:TOPICS
    2005.06.30 介護予防検診における調査項目
    2005.10.25 「生活不活発病」という概念

資料:介護予防関連(厚労省) http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/hoken/yobou.html

 介護予防にかかる事業の実施について(PDF:600KB)
   (介護予防に関する事業の実施に向けての実務者会議資料 2005年11月4日掲載)

 介護予防に関する各研究班マニュアルについて
    http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/topics/051221/index.html
    ・閉じこもり予防・支援マニュアル(PDF:1,306KB)
    ・認知症予防・支援マニュアル
     (1〜40ページ(PDF:454KB)、 41〜53ページ(PDF:437KB))
    ・うつ予防・支援マニュアル
     (1〜40ページ(PDF:448KB)、 41〜70ページ(PDF:480KB))

 改正介護保険法の施行と介護報酬改定について
    (日薬情報 NO.164 日薬雑誌2006年3月号)

参考:東京新聞4月11日
  http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060411/mng_____sya_____008.shtml

  ≪予防給付≫介護予防ケアマネジメントマニュアル暫定版
      (2005.12 神戸市)
 http://www.city.kobe.jp/cityoffice/18/carenet/hiroba/yobou/yobouindex.htm  


2006年04月13日 23:00 投稿

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