医療専門職のための副作用報告ガイド(英国)

 英国医師会(BMA British Medical Association)は11日、医療専門職が行う副作用報告についてのガイドをまとめ、BMAのウェブサイトに掲載しています。

Reporting Adverse Drug Reactions: A guide for healthcare professionals
  (BMA Ethics and Science 2006.5)
  http://www.bma.org/ap.nsf/Content/AdverseDrugReactions 

 英国では現在、患者自身が直接副作用報告ができるというイエローカード計画(Yellow Card Scheme)という日本にはない仕組みもとられていますが、このレポートでは、このYellow Card Schemeを含めた、英国における副作用報告や市販後調査の現状やあり方について詳しくまとめられています。

 そしてレポートの最後では、医師は診療の際、国に直接副作用報告ができる制度があることについて患者に伝えることや、相互作用や重大な副作用防止のために、OTC薬や薬草(herbal remedies)の服用の有無について患者に尋ねること、市販後調査の方法とその重要性について、医学教育の中にシステマティックかつ包括的なカリキュラムをとしてとり入れるべきとする勧告をまとめるなど、現場の薬剤師にも関連深い内容になっています。

 英国王立薬剤師会は12日、今回のレポートを歓迎するとともに、「副作用報告の5つに1つは薬剤師によって行われているが、国民が自分自身で直接副作用報告(Yellow Card Scheme reports)を行うことを促すのにも理想的な立場にある。もし、薬剤師が患者の状態に関するより多くの情報にアクセスすることができるのであれば、患者の安全についてさらに改善を図ることができるであろう。」とする声明を発表しています。

HEALTHCARE PROFESSIONALS NEED TO DO MORE TO IDENTIFY ADVERSE DRUG REACTIONS
 (The Royal Pharmaceutical Society of Great Britain statement 2006.5.12)
  http://www.rpsgb.org/pdfs/pr060512a.pdf

関連情報:TOPICS 2005.11.08 患者による副作用直接報告(英・イエローカード計画)

参考:Drug reactions ‘must be reported’(BBC NEWS 2006.5.11)
   http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/4759571.stm


2006年05月13日 23:30 投稿

Comments are closed.