大学設置準備会、医療薬科大学計画を断念

 31日、足利市議会の全員協議会が開かれ、市当局は、8月3日に大学設置準備会から「県、市の補助金が白紙となり、独自の資金調達による設立は困難」として、競馬場跡地への大学設置計画を白紙にする意向を文書で伝えてきたことを明らかにした。これにより、今回の日本医療薬科大学計画は完全になくなった。

 ただ毎日新聞によれば、医療福祉拠点整備課の話として、「今後の跡地利用方針について、足利赤十字病院の移転をはじめ、新たな医療福祉系の高等教育機関の誘致も視野に入れながら、医療・保健・福祉の複合拠点の形成を目指す」と伝え、依然として大学等の誘致を検討していることをうかがわせている。

 下野新聞によれば、市長は「大学設置準備会は自らの都合で大学設置を断念したということであり、大変残念。これまで可能性を信じてきた本市ならびに関係する多くの方々の期待が裏切られた結果になったことは痛恨の極み」とコメントしているそうだが、私たちからみればすでに薬学部が増えすぎているというのは周知の事実。まるで、自分たちがだまされたようにも受け取れるが、寄付金や補助金頼みの計画は当初から疑問視されていた。市は経済効果のみを過剰に期待し、現状の把握に甘さはなかったのだろうか?

 薬学部誘致で、街の活性化に夢を抱いている自治体があったら、今回の足利市の教訓を活かして欲しい。

 関連情報:TOPICS 2006.07.02 足利市、医療薬科大計画事実上断念(旧サイト)

 参考:下野新聞9月1日
     読売新聞9月1日
     毎日新聞栃木版9月1日


2006年09月02日 23:00 投稿

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