デンマーク・コペンハーゲン大などのグループが、このほど抗酸化サプリメントの一部が、死亡率を高める可能性があるとする研究結果をまとめ、28日付の米医師会誌で発表しています。
Mortality in Randomized Trials of Antioxidant Supplements for Primary and Secondary Prevention: Systematic Review and Meta-analysis(JAMA.2007;297:842-857.)
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/297/8/842
この研究は、68のランダム化試験 232,606人のデータを分析したメタ・アナリシスで、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、セレンの5つの抗酸化物質を含むサプリメントについて、摂取の有無と死亡率との関係を調べています。
全ての研究を分析した場合には、死亡率の差が認められなかったものの、バイアスの少ない47の研究 180,938人のデータを詳しく調べると、摂取していない人と比べ抗酸化サプリメントを摂取している人のあいだでは死亡率が5%高いということがわかったそうです。
さらにこれを成分別に詳しく調べると、ビタミンAを摂取している人では16%、βカロチンを摂取している人で7%、ビタミンEを摂取している人で4%とそれぞれ死亡率がリスクが高まるということがわかったそうです。
一方、ビタミンCとセレンについては死亡率との関連性はみられなかったという。
研究者らは、まだ因果関係が明確ではないとしながらも、これらサプリメントが医薬品と同じような臨床試験を経ないで販売されている問題点を指摘しています。、
今回の死亡率の差を大きいと見るかは、意見が分かれるところですが、北米と欧州では成人の10%〜20%(8,000万人〜1億6,000万人)がこれらのサプリメントを摂取しているといわれ、今回の結果にサプリメントメーカーは敏感に反応しています。
参考:朝日新聞3月1日
http://www.asahi.com/health/news/TKY200702280387.html
Some Antioxidant Supplements Linked to Lethality
(Medpage Today 2007.2.27)
http://www.medpagetoday.com/PrimaryCare/DietNutrition/tb/5152
Vitamins A, C and E don’t help you live longer
(MSNBC 2006.2.27 AP通信配信)
http://www.msnbc.msn.com/id/17364607/
Vitamins ‘could shorten lifespan’ (BBC NEWS 2006.2.28)
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/6399773.stm
3月2日 17:20掲載
2007年03月02日 17:20 投稿