乳幼児へのOTC風邪薬の有効性・安全性再検討へ(米FDA)

 米FDAは15日、医師の許可なしに2歳未満の子どもにOTCの鎮咳薬や風邪薬を使用しないよう注意喚起をするとともに、10月18日、19日に開催予定のNonprescription Drugs Advisory Committee(非処方せん薬諮問委員会)とPediatric Advisory Committee(小児科諮問委員会)との合同諮問委員会で、この問題についての検討を行うと発表しました。

Nonprescription Cough and Cold Medicine Use in Children
 (FDA Public Health Advisory 2007.8.15)
  http://www.fda.gov/cder/drug/advisory/cough_cold.htm
 (FDA Med Watch 2007.8.15)
  http://www.fda.gov/medwatch/safety/2007/safety07.htm#Cough

日本語訳概要が、医薬品安全性情報(海外規制機関 医薬品安全性情報)Vol.5 No.18に掲載されています。
  http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly5/18070906.pdf

 同様の注意喚起は、すでにCDC(疾病管理予防センター)が今年1月に発表したレポートを通じて行われていますが、その後バルチモア市当局と地元小児科医らが今年3月にFDAに対して、「6歳未満の子どもへのOTC鎮咳薬、風邪薬の使用について、安全性と有効性に懸念がある」とした請願がFDAに出されたことから、FDAでもFDAとしての注意喚起と使用そのものの是非についての再検討に踏み切ったようです。

Pediatricians and Baltimore City Health Department petition F.D.A
 (Baltimore City Health Department 2007.3.2)
   [Press Release] [Petition]=FDAへの請願書 [OTC statement]

 FDAウェブサイトに掲載されたの請願書
   http://www.fda.gov/ohrms/dockets/dockets/07p0074/07p0074.htm

 FDAの発表によれば、諮問委員会では次のような点が議論される見込みです。

  • これらOTCの薬物動態の検討
  • 2歳未満、2〜5歳、6歳〜11歳ごとの投与量の基準
  • 2歳未満への使用の是非
  • 潜在的な誤用、意図的でない過量服用、過度の服用
  • これらの薬を服用させる親や保護者の能力

 民間保険が一般的な米国と、乳幼児の医療費無料化・助成が一般的になっている日本では比較にはなりませんが、一昔前と比べて少なくなっているとはいえ、小さい子どもにOTCの鎮咳薬や風邪薬を使うこともあると思います。今後の議論に注目したいと思います。

関連情報:TOPICS
     2007.01.14 2歳未満の子どもには、OTC風邪薬を与えるべきではない(米国)

参考:FDA agrees to 2nd look at cough medicines(baltimoresun.com 2007.8.15)
  http://www.baltimoresun.com/news/health/bal-te.fda16aug16,0,6160304.story
    FDA To Scrutinize Cold Medicines For Kids(CBS News 2007.3.2)
  http://www.cbsnews.com/stories/2007/03/02/health/main2531990.shtml

8月16日 22:50掲載 9月10日 リンク追加


2007年08月16日 22:50 投稿

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