1週間後に、小児OTC風邪薬の有効性・安全性についての検討を行う米FDA諮問委員会の開催を控えた11日、小児用のOTC風邪薬・咳止め薬を発売する米国のメーカー各社は、過量服用の可能性があるとして、2歳未満への適応のある経口のOTC風邪薬・咳止め薬について、市場品を自主回収すると発表しました。すでにドラッグストアなどでは、商品の店頭からの撤去も始まっています。
Makers of OTC Cough and Cold Medicines Announce Voluntary Withdrawal of Oral Infant Medicines
(CHPA 2007.10.11)
http://www.chpa-info.org/content.aspx?id=258
What Parents and Caregivers Need to Know: OTC Cough and Cold Medicines and Children
(CHPA 2007.10)
http://www.otcsafety.org/
今回対象となっているものの多くは、さじで秤量し、水で溶かして飲むタイプで、添付のさじなどを使用せず、台所にあるにさじで代用するなどして、過量服用する危険が高いとされています。業界団体のCHPAは「製品上は問題なく、保護者の監督の下、用法・用量を守れば、安全かつ効果的である」とするコメントを発表、おそらく今後、「2歳未満には使用しないで下さい」と表示を改めたうえで、販売が再開されるものと思われます。
OTCメーカーの訴訟対策といった側面もあるのかも知れませんが、これで2歳未満へのOTC風邪薬・咳止めの適応は事実上なくなります。今後は、6歳までについて(一部紙面では、12歳までについても検討すると伝えています)もこれらのOTC風邪薬が、有用であるかどうかがどう判断されるかが、焦点となります。
関連情報:TOPICS 2007.09.30 OTC風邪薬の乳幼児への使用、大幅に規制か(米国)
参考:日本経済新聞10月12日
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071012AT2N1101512102007.html
Infant cold medicines pulled for overdose risk
(MSNBC 2007.10.11、AP配信)
http://www.msnbc.msn.com/id/21247580/
Doctors Applaud Infant Cold/Cough Drug Recall
(ABC News 2007.10.11)
http://www.abcnews.go.com/Health/Drugs/story?id=3718265
10月12日 15:50掲載
2007年10月12日 15:50 投稿