2日、中医協の診療報酬基本問題小委員会が開催され、2008年4月に実施予定の診療報酬改定案について、夜間診療への評価を手厚くする案が示されました。
第106回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会(2007年11月2日開催)
資料(WAM NET 11月2日掲載)
消防庁の調査によれば、平成17年中における救急自動車による出場件数は1日平均14,460件で、これは平成9年と比べて52%増、半数以上が軽症者だったそうです。また、急病に伴う救急車の搬送要請は、時間帯別で見た場合「8~10時」が最も多くなっていますが、次いで多いのが日中の診療が終わる「18~20時」だったそうです。
厚労省ではこういったデータから、「救急医療機関の救急外来が、本来の目的と異なり、軽症患者に利用されている」と指摘し、軽症患者の増加が、救急病院の勤務医の負担増につながっているとの認識を示しました。そして、この「18~20時」の時間帯に開業している診療所が多い地域では救急病院などの受診件数は少ないとして、この時間帯の軽症患者を診療所で見てもらえば、病院への患者集中することがなくなり、病院勤務医の負担軽減につながるとして、今回の案を考えたようです。
現在の診療報酬では、診療所が自らの診療方針として、「18~20時」の時間帯を通常の診療時間にしている場合には、時間外加算は算定できませんが、新しい案では診療時間内であっても準夜間の時間帯の診療を提供する場合には点数を上乗せする(その一方で、初診料・最新再診料は引き下げる)方向で検討をすすめているようです。
そして、医療機関の院外処方率が過半数を占めていることを考慮し、薬局についても、地域の救急医療体制や診療所の診療時間の延長に対応した調剤の体制を整えるため、時間外調剤の評価体系について見直しを検討する必要があるとする案が示されています。
今のところ、開局時間で判断するのか施設基準を設けて対応するのかはわかりませんが、地域のニーズに応じて、薬局も開局時間の延長が求められることだけは確かでしょう。
資料:平成18年版救急・救助の現況(総務省消防庁)[PDF:1.44MB]
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/statistcs/pdf/h18_kyukyu_kyujo.pdf
参考:CBニュース11月2日
http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=12817
朝日新聞11月3日
読売新聞11月3日
2007年11月05日 00:50 投稿