薬局業務とは直接関係ありませんが、医療制度の改革で医療費負担(特に国民健康保険料、国保税)が重くなったの声が少なくないと思います。節税対策というわけではありませんが、介護保険の要介護認定を受けている65歳以上の方で、一定の要件を満たせば、障害者控除を受けることができることをご存知でしょうか?
これは、所得税法施行令等に基づく障害者控除の対象者として、市町村長が認知症高齢者の日常生活自立度に応じて、障害者又は特別障害者に相当するとして認定し、「障害者控除対象者認定書」を交付、これを所得税や市・県民税の申告をする際に提示すると、障害者控除を受けることができるというものです。
ケアマネージャーの方は詳しいでしょうが、この認知症高齢者の日常生活自立度によれば、「服薬管理ができない」ということがあれば、認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱaに該当するので、障害者控除対象者(障害者)となり、障害者控除を受けることができます。(最終的な判断は自治体ですが)
また、結果的に所得が小さくなるので、翌年の国民健康保険料(国保税)や介護保険料の算定にも影響が及びます。
認知症高齢者の日常生活自立度(健康長寿ネット)
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000900/hpg000000822.htm
注意すべき点は、この日常生活自立度と要介護度とリンクしない点にあります。このため、自治体の中には認定が難しいとして、重度の方を除いては認定自体を行っていないところや医師の意見書を求めるところがあります。また、市の広報で周知するのに留め、要介護認定を受けている対象者全員にこの制度があることを通知しないなど、申請主義を貫く傾向がありました。
しかしながら、新潟県上越市など「障害者控除対象者認定書」を積極的に交付し、既にこの制度を積極的に活用している自治体もあります。また最近では、地方議会の後押しなどもあり、日常生活自立度ではなく要介護度のみで一律に認定書を交付するところも出てくるなど、去年当たりから各自治体も地元住民に対し周知や認定書の発行を積極的に始めているようです。
自治体によって対応が異なるというのも困りものですが、皆さんも是非地元自治体がどのような対応を行っているか確認して見てください。
関連情報:
障害者控除対象者認定書の交付(足利市ウェブサイト)
障害者控除対象者認定書」を自治体に発行させる手続きについて
(東京商工団体連合会税対部参考資料、東京商工団体連合会HP)
老齢者の所得税、地方税上の障害者控除の取扱いについて
(厚労省 2002年8月1日)
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/kaigi/020904/2-3.html
2008年01月03日 21:00 投稿