薬剤服用歴管理指導料は30点(中医協答申)

 13日中医協の総会が開催され、2008年度診療報酬改定について答申が行われました。以下は、厚労省のHPに掲載された資料をもとに作成しました。日薬などの情報で再確認をお願いします。

第125回中央社会保険医療協議会総会(2008年2月13日開催)
  資料:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/02/s0213-4.html   

 下記の表は、平成20年度診療報酬改定について 資料(総−1)を(項目のページはこの資料)及び答申書別紙395〜407ページ(調剤報酬点数表)を元に作成しています。(一部誤りがあり、訂正しています)

    具体的な内容
(新設) 

夜間・休日等加算
(39ページ)

 40点
(処方せんの受付1回につき)
 平日及び土曜日の以下の時間帯並びに休日であって、当該保険薬局が表示する開局時間内の時間において調剤を行った場合は、夜間・休日等加算を算定できることとする。
 平 日 午前0時〜午前8時、午後7時〜午前0時
 土曜日 午前0時〜午前8時、午後1時〜午前0時 

[算定要件]
1. 午後7時(土曜日にあっては午後1時)から午前8時までの間(深夜及び休日を除く。)、休日又は深夜であって、当該保険薬局が表示する開局時間内の時間において調剤を行った場合は、夜間・休日等加算として、処方せん受付1回につき40点を加算する。

2. 開局時間を分かりやすい場所に掲示していること

一包化薬
(110ページ)
89点
(現行97点)
 2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化薬として調剤した場合は、投与日数が7又はその端数を増すごとに所定点数を算定する 

*算定要件は拡大されています

自家製剤加算
(110ページ)
 次の薬剤を自家製剤の上調剤した場合は、各区分の所定点数に1調剤につき(イの(1)に掲げる場合にあっては、投与日数が7又はその端数を増すごとに)それぞれ次の点数(予製剤による場合はそれぞれ次に掲げる点数の100分の20に相当する点数)を加算する。 

 ただし、別に厚生労働大臣が定める薬剤については、この限りでない

内服薬及び屯服薬(特別の乳幼児用製剤を行った場合を除く。)
(1) 錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の内服薬 20点(現行は日数にかかわらず、1調剤につき90点)
(2) 錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の屯服薬 90点(新設)

(3) 液剤 45点(据え置き)

薬剤服用歴
管理指導料
(112ページ)
30点 

(現行の「薬剤服用歴管理料22点」と「服薬指導加算22点」が統合)

 患者(後期高齢者を除く。)について、次に掲げる指導等のすべてを行った場合に算定
1. 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書等により患者に提供し、薬剤の服用に関し、基本的な説明を行うこと
2. 処方された薬剤について、直接患者又はその家族等から服薬状況等の情報を収集して薬剤服用歴に記録し、これに基づき薬剤の服用等に関し必要な指導を行うこと
長期投薬情報
提供料1
(113ページ)
(情報提供
1回につき)
18点 

(現行は14日分につき18点)

 患者又はその家族等の求めに応じ、長期投薬に係る薬剤の使用が適切に行われるよう、長期投薬に係る処方せん受付時に、処方せんを受け付けた保険薬局が、当該薬剤の服薬期間中にその使用に係る重要な情報を知ったときは、患者又はその家族等に対し当該情報を提供することにつきあらかじめ患者の同意を得た上で、実際に当該情報を提供した場合であって、当該患者の次回の処方せんの受付時に提供した情報に関する患者の状態等の確認及び必要な指導を行った場合に算定する
(新設) 

がん性疼痛
緩和管理指導料
(118ページ)

*調剤とは直接関係ありません

100点  がん性疼痛の緩和を目的に医療用麻薬を投与しているがん患者に対して、WHO方式のがん性疼痛治療法に従って、計画的な治療管理と療養上必要な指導を継続的に行い、麻薬を処方することに対する評価を新設する。 

[算定要件]
 がん性疼痛の症状緩和を目的として麻薬を投与しているがん患者に対して、WHO方式のがん性疼痛の治療法(がんの痛みからの解放−WHO方式がんの疼痛治療法−第2版)に基づき、副作用対策や疼痛時の対応を含めた計画的な治療管理や当該薬剤の効果等に関する説明を含めた療養上必要な指導を行い、麻薬を処方する場合に算定する

在宅及び外来患者の緩和ケアを推進
(120ページ)
 在宅及び外来患者の緩和ケアを推進するため、以下の薬剤師の取組を進める。 

(1) 在宅患者の場合
 在宅患者訪問薬剤管理指導料の麻薬管理指導加算の算定要件として、薬剤師が、患者又はその家族等に対する定期的な残薬の確認及び廃棄方法に関する指導を行うことを追加する。(後述、100点の加算)

(2) 外来患者の場合
 現行の調剤報酬における薬剤服用歴管理料の麻薬管理指導加算について、麻薬の服用及び保管の状況、副作用の有無等の確認を算定要件とするとともに、その評価を引き上げる。→麻薬管理指導加算22点(現行8点)

調剤基本料の見直し
(146ページ)
(処方せんの受付1回につき)40点(現行42点) 

処方せんの受付回数が1月に4,000回を超える保険薬局(特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が70%を超えるものに限る。)においては、所定点数にかかわらず処方せん受付1回につき18点(現行19点)を算定する。

*上記赤字の部分誤りの指摘がありました。謹んでおわびします。

(新設)
後発医薬品
調剤体制加算
(146ページ)
4点 [施設基準]
1. 直近3か月間の当該保険薬局における処方せんの受付回数のうち、後発医薬品を調剤した処方せんの受付回数の割合が30%以上であること
2. 後発医薬品調剤に適切に対応している旨を、分かりやすい場所に掲示していること
3 .後発医薬品の調剤に関し別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方社会保険事務局長に届け出ていること
後発医薬品
分割調剤
(147ページ)
5点  後発医薬品に対する患者の不安を和らげるため、薬局において、「変更不可」欄に署名等がない処方せんに基づき初めて先発医薬品から後発医薬品に変更して調剤する際に、患者の同意を得て、短期間、後発医薬品を試せるように調剤期間を分割して調剤することを、新たに、分割調剤を行うことができる場合に追加することとする。 

[算定要件]
 後発医薬品に係る処方せん受付において、当該処方せんの発行を受けた患者が初めて当該後発医薬品を服用することとなること等の理由により分割して調剤を行った場合、当該処方せんに基づく当該保険薬局における2回目の調剤に限り、5点を算定する。

※ 分割調剤を行った場合には、薬局から処方せんを発行した保険医療機関に、その旨を連絡するものとする。

※ 2回目の調剤を行う際には、先発医薬品から後発医薬品への変更による患者の体調の変化、副作用が疑われる症状の有無等を確認するとともに、患者の意向を踏まえ、後発医薬品の調剤又は変更前の先発医薬品の調剤を行う。当該調剤においては、薬学管理料(薬剤服用歴管理指導料、薬剤情報提供料及び後期高齢者薬剤服用歴管理指導料を除く。)を算定しない。

退院時における円滑な情報共有や支援の評価 

(新設)
退院時共同指導料
(155ページ)

600点  退院に際し情報共有を円滑に行うため、入院中の医療機関の医師、歯科医師、薬剤師、看護師等と、地域での在宅療養を担う医師等医療関連職種が、共同して指導を行った場合に評価する。また、他職種の医療従事者等が一堂に会し共同で指導を行った場合にさらなる評価を行う。 

[算定要件]
 保険医療機関に入院中の患者について、退院後の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局として当該患者が指定する保険薬局の保険薬剤師が、当該患者が入院している保険医療機関に赴いて、患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導を、入院中の保険医療機関の保険医又は看護師等と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1回に限り算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については、当該入院中2回に限り算定できる。に算定する。

在宅医療におけるカンファレンス等の情報共有に関する評価 

(新設)
在宅患者緊急時等共同指導料
(161ページ)

700点
 (月2回)
 

 麻薬の投薬が行われている患者に対して、麻薬の使用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、1回につき所定点数に100点を加算する。

 医師等が、在宅での療養を行っている患者の利用する医療サービス、福祉サービス等の情報を共有し、連携のもと療養上必要な指導を行うことは重要であることから、新たに評価することとする。また、患者の病状の急変や診療方針の変更等に伴い、他の医療従事者と共同でカンファレンスを行い、関係職種間の情報の共有や患者に対する必要な指導等を行うことについても評価する。 

[算定要件]
 訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師が、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものの状態の急変等に伴い、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医の求めにより、当該保険医療機関の保険医等、歯科訪問診療を実施している保険医療機関の保険医である歯科医師等、訪問看護ステーションの看護師等又は居宅介護支援事業者の介護支援専門員と共同で患家に赴き、カンファレンスに参加し、それらの者と共同で療養上必要な指導を行った場合に、月2回に限り算定する。

在宅患者訪問
薬剤管理指導料
(167ページ)
1. 在宅での療養を行っている患者(居住系施設入居者等を除く。)であって通院が困難なもの 500点 

2. 居住系施設入居者等であって通院が困難なもの 350点

麻薬の投薬が行われている患者に対して、麻薬の使用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、1回につき所定点数に100点を加算する。

麻薬の投薬が行われている患者に対して、麻薬の使用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、1回につき所定点数にを加算する。[算定要件]、
医師の指示に基づき、保険薬剤師が薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して、薬学的管理及び指導を行った場合に、月4回(がん末期患者及び中心静脈栄養法の対象患者については、週2回かつ月8回。いずれについても、同一の患者について、1及び2を併せて算定する場合において同じ。)に限り算定する

・ 医師の指示に基づき、薬剤師が薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して、薬学的管理及び指導を行った場合に算定・ 薬学的管理指導計画の策定に当たっては、処方医から提供された情報等に加えて、必要に応じ、患者が他の医療サービス、福祉サービス等を受けた際の状況と指導内容につき、関係職種間で共有した上で行う。
・ 訪問結果について医師に情報提供するとともに、必要に応じ、関係職種に情報提供する。

(新設)
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
(168ページ)
  500点 

麻薬の投薬が行われている患者に対して、麻薬の使用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、1回につき所定点数に100点を加算する。

 訪問薬剤管理指導を実施している患者の状態が急変した場合等、計画的な訪問薬剤管理指導とは別に、主治医の急な求めに応じて、薬剤師が患家を訪問して必要な薬学的管理及び指導を行った場合を新たに評価する。 

[算定要件]
1. 訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師が、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものの状態の急変等に伴い、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医の求めにより、当該患者に係る計画的な訪問薬剤管理指導とは別に、緊急に患家を訪問して必要な薬学的管理及び指導を行った場合に、月4回に限り算定する。

2. 患者の薬剤服用歴に、在宅療養を担う保険医から緊急の要請があって実施した旨を記載する。

3. 実施した薬学的管理の内容の薬剤服用歴への記載等の要件については、在宅患者訪問薬剤管理指導料と同様との要件とする。
4. 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導に要した交通費は、患家の負担とする。

(新設) 

後期高齢者薬剤服用歴管理指導料
(171ページ)

35点
現在の「薬剤服用歴管理料22点」「服薬指導加算22点」「薬剤情報提供料15点」が統合
 後期高齢者である患者について、次に掲げる指導等のすべてを行った場合に算定 

1. 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書等により患者に提供し、薬剤の服用に関し、基本的な説明を行うこと
2. 処方された薬剤について、直接患者又はその家族等から服薬状況等の情報を収集して薬剤服用歴に記録し、これに基づき薬剤の服用等に関し必要な指導を行うこと
3. 調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、相互作用その他服用に際して注意すべき事項を患者の手帳に記載すること

(新設) 

外来服薬支援料
(174ページ)

185点  自己による服薬管理が困難な外来の患者又はその家族等の求めに応じ、当該患者が服薬中の薬剤について、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性を確認した上で、薬剤師が患者の服薬管理を支援した場合に、外来服薬支援料を算定できることとする。 

[算定要件]
 服薬管理に係る支援の必要性を処方医に確認した旨並びに外来服薬支援を行った薬剤の名称、外来服薬支援の内容及び理由を薬剤服用歴に記載する

(新設) 

後期高齢者終末期相談支援料
(176ページ)

200点
(1回に限る)
[算定要件]
 保険薬局の保険薬剤師が、一般的に認められている医学的知見に基づき回復を見込むことが難しいと保険医療機関の保険医が判断した後期高齢者である患者(在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに限る。)に対して、患者の同意を得て、保険医療機関の保険医及び看護師と共同し、患者及びその家族等とともに、終末期における診療方針等について十分に話し合い、その内容を文書等により提供した場合に、患者1人につき1回に限り算定する。

新しい処方せんの書式(出典:中医協諮問書)

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2月13日 15:00掲載 16:20更新 14日 1:00訂正 21:30訂正


2008年02月13日 15:00 投稿

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