環境省の「在宅医療廃棄物の処理の在り方検討会」はこのほど、在宅医療廃棄物について、輸液バッグや医療用カテーテル(管)など、注射針以外は市町村に処理責任があるとした手引を作成し、公表しています。
在宅医療廃棄物の処理に関する取組推進のための手引き(環境省2008年3月)
http://www.env.go.jp/recycle/misc/gl_tmwh/index.html
同検討会では2005年3月に、在宅医療廃棄物の処理の在り方については、現段階で最も望ましい方法として、(1)注射針等の鋭利な物は医療関係者あるいは患者・家族が医療機関へ持ち込み、感染性廃棄物として処理する、(2)その他の非鋭利な物は、市町村が一般廃棄物として処理する、とした報告書をまとめ、同省ではこれを踏まえた通知「在宅医療に伴い家庭から排出される廃棄物の適正処理について」(環境省2005年9月8日、リンク先は岐阜県ホームページ)を行い、都道府県を通じ、市町村等に対し在宅医療廃棄物の適正処理について指導することを求めていました。
しかし、この通知後も市町村による注射針以外の在宅医療廃棄物の回収はすすんでいないことや、在宅医療廃棄物の種類や感染の可能性に関して情報が不足していること等の課題が、2007年2月に同省が市町村等におこなったアンケート調査から明らかになったことから、関係者(市町村・都道府県・医療機関・薬局・訪問看護ステーション・メーカー)の役割と協働を明記し、市町村において、在宅医療廃棄物の処理(収集、運搬及び処分)を適切に進めていく際の参考となるよう、この手引きが作成されたものです。
この手引きには参考資料として、自治体と薬剤師会等と共同に行われている積極的な取り組み事例や広報紙による住民周知事例なども掲載されています。
同省では、「在宅医療廃棄物には、感染性の留意が必要なものと必要ではないものがあり、正確な情報と認識を持つことが必要である。この手引きを参考に、行政、医療関係機関等の関係者が密接な連携を図りつつ、患者の立場に立った上で、在宅医療廃棄物の適正処理について、更なる取組が進むことを期待する。」としています。
関連情報:TOPICS
2007.08.07 在宅医療廃棄物、市町村による回収は進まず(環境省)
2005.04.15 家庭から出る注射針、市町村に処理責任 環境省通知へ
参考:共同通信5月29日
http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008052901000098.html
5月30日 14:10掲載
2008年05月30日 14:10 投稿