共同通信によれば、大阪府の市立豊中病院、豊中市医師会、豊中市で構成される「地域緩和医療ネットワーク協議会」は、このほど病状や治療状況をがん患者自ら記入する「がん手帳」を作成し、近く配布及び運用が開始と報じています。
この手帳は、検査方法や手術、化学療法、放射線治療の説明のほか、診療記録、体調を記録する「痛み日記」、患者の疑問と医師の回答を記入する欄など、がんと診断された時から在宅療養に至るまで継続活用を想定して作成されていて、母子手帳をイメージとした患者記入式の自己管理手帳にとなっているとのことです。
この豊中病院は、地域がん診療連携拠点病院に指定されていることもあり、同病院と地元医療機関でがん患者の診療連携が以前より行われていましたが、地元医療機関より、「紹介状1枚だけで、前の医師からの連絡や説明がない」「医療用麻薬など使用方法で分からなかったりした時に、すぐ聞ける相手が欲しい」などの意見が寄せられたことから、今回この手帳が作成されたようです。
患者も記入するおくすり手帳的な要素もあることから、薬局の現場でも服薬指導や情報提供を行うにあたって、重要なツールになるのではないかと予想されます。
おそらく、地元薬剤師会では活用策など練られているのではないかと思いますが、同様の取組みが各地に広がるのではないかと思います。私たちも緩和医療で使われる薬剤の知識の習得と他職種への情報提供の取組みが求められることを痛感させられます。実物がWEB上にUPされましたら、紹介したいと思います。
関連情報:TOPICS 2008.07.07 在宅医療実践ガイドブック(東京都)
2008.07.05 がん緩和ケアガイドブック(日医)
参考:「がん手帳」1万部配布へ 患者自身が病状記入
(共同通信7月22日)
http://www.47news.jp/CN/200807/CN2008072201000016.html
地域がん診療連携拠点病院としての地域緩和医療の取り組み
(日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団・ホスピス・緩和ケア白書2008)
http://www.hospat.org/hakusyo/pdf/2008_3_2.pdf
がんナビ(2007年8月7日)
http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/report/0807_01.html
2008年07月22日 16:20 投稿