日本腎臓学会(http://www.jsn.or.jp//)では今年、腎臓病診療や健診指導に携わる医療関係者が腎臓病に対する理解を深め、腎臓病療養指導のヘルスプロフェッショナルとして活躍が可能となる「腎臓病療養指導認定師」制度をスタートさせていますが、11月にその認定要件となる初の講習・検討会を東京で開催すると発表しました。
「腎臓病療養指導のための講習・検討会」 (腎臓病療養指導認定師認定)
(日本腎臓学会HP Wordファイル)
http://www.jsn.or.jp/jsn_new/news/comedical_staff.doc
同学会によれば、この講習・検討会は慢性腎臓病(CKD)管理をチーム医療として実施する体系の確立を促進させて、CKDの普及啓発、発見早期からの管理の徹底を期すことにより維持透析療法導入患者数を減少させることを目的に行うとし、対象も直接看護などに関わる看護師・保健師だけではなく、薬剤師や管理栄養士などの全ての医療関係者を対象にする(学会の加入・非加入は問わない)としています。
但し、正式な認定を受けるには、この講習を受けるだけではだめで、受講後の5例の経験症例リポートの提出が条件となります(受講時に経験症例を持たない場合は、受講後3年後までのレポート提出でも可)。また、5年ごとに一定の点数獲得により更新となります。
近年、日本における腎疾患患者は年々増加傾向(国民の死因の第8位)にあり、平成18年末には約26万人が透析療法を受けるなど、国民の健康に重大な影響を及ぼしていることから、厚労省では昨年「腎疾患対策検討会」が設置され、議論を経て今後の腎疾患対策の方向性をとりまとめれています。
今後の腎疾患対策のあり方について(報告書)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/pdf/jinshikkan01.pdf
報告書によれば、「CKD は生命や生活の質に重大な影響を与えうる重篤な疾患であるが、適切な対応を行えば、予防・治療や進行の遅延が可能である。また、患者数が極めて多く、腎機能異常に気付いていない潜在的なCKD 患者が存在すると推測される。普及啓発・地域医療提供体制の整備がなどが重要であり、その実施にあたっては、医師だけでなく、保健師、看護師、管理栄養士、薬剤師など、普及啓発活動の担い手となる人材が適切に役割を分担することが望ましい。」とし、保健師、看護師、管理栄養士、薬剤師等のコメディカルにも大きな期待が寄せられています。
第1回 腎疾患対策検討会 | 2007年10月 1日開催 | 資料 | 議事録 |
第1回 腎疾患対策検討会作業班 | 2007年10月29日開催 | 資料 | 議事録 |
第2回 腎疾患対策検討会作業班 | 2007年11月20日開催 | 資料 | 議事録 |
第3回 腎疾患対策検討会作業班 | 2007年12月25日開催 | 資料 | 議事録 |
第2回 腎疾患対策検討会 | 2008年 3月17日開催 | 資料 | 議事録 |
同学会では、かかりつけ医を対象とした「CKD 診療ガイド」を策定していますが、私たちもこれらを参考にし、CKDへの理解を深めることが求められるでしょう。
関連情報:TOPICS 2007.05.27 慢性腎臓病の診療ガイドライン
腎疾患対策(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/jinshikkan.html
参考:Japan Medicine 7月28日
2008年07月29日 16:34 投稿