欧州医薬品審査庁(http://www.emea.europa.eu/)(EMEA:European Medicines Agency)のヒト医薬品委員会(CHMP:Committee for Human Medicinal Products)は24日、肝毒性について再検討を行ってきたモキシフロキサシンの経口剤(アベロックス)について、リスクがベネフィットを上回るとしながらも安全性の懸念があるとして、 下記のような使用制限を勧告しました。(注射剤は勧告の対象外)
- 急性細菌性副鼻腔炎・慢性気管支炎の急性増悪への処方は、正確に診断した上で、他の経口の抗生物質が使用できないか効果が認められない場合に限定する
- 市中感染性肺炎への処方は、他の抗生物質による治療ができない場合に限定する
European Medicines Agency recommends restricting the use of oral moxifloxacin-containing medicines(EMEA PRESS RELEASE 2008.7.24)
http://www.emea.europa.eu/pdfs/human/press/pr/38292708en.pdf
日本語訳概要が、海外公的機関 医薬品安全性情報 Vol.6 No.19 に掲載されています
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly6/19080918.pdf
Questions and answers on the recommendation to restrict the use of oral formulations of moxifloxacin-containing medicines(EMEA 2008.7.24)
http://www.emea.europa.eu/pdfs/human/press/pr/Q&A_Moxifloxacin_38045408en.pdf
今回の再検討は、ドイツでの関連が疑われる死亡8例や英国当局のリスクと安全性についての懸念から行われたもので、CHMPではモキシフロキサシンの安全性(特に肝臓への影響)についての入手できる全ての情報を調査しています。
CHMPではまた、製品情報に下痢、肝障害、心疾患を有する女性患者・高齢患者への投与についての情報(警告情報)を強化するよう求めました。
関連情報:TOPICS 2008.04.16 海外公的機関 医薬品安全性情報Vol.6 No.8
参考:Moxifloxacin liver toxicity warning issued
(PJ Online 2008.7.29)
http://www.pjonline.com/news/moxifloxacin_liver_toxicity_warning_issued
9月23日 リンク追加
2008年07月31日 11:56 投稿