皆さんもご存知のように、昨年10月にまとめられた「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」において、国も品質確保のためのさまざまな取組みを実施していますが、その取組みの一つとして、後発医薬品の品質に疑問を呈した研究論文等を、複数の研究者で精査し、後発医薬品に問題がないかを判断するための検討会が先月より開催され、このほど議事概要が公開されています。
ジェネリック医薬品品質情報検討会(国立医薬品食品衛生研究所 ウェブサイト)
http://www.nihs.go.jp/drug/ecqaged.html
第1回ジェネリック医薬品品質情報検討会 議事概要
http://www.nihs.go.jp/drug/ecqaged/1Generic.html
7月10日開催された第1回検討会では、平成19年9月〜平成20年3月の文献及び学会発表(資料2・資料3)や、19年度の医薬品医療機器総合機構への相談内容(資料5)等について検討し、明らかに後発医薬品の品質に問題があることを示すものはないと結論づけたものの、試験方法に問題があると思われるものを下記8成分と、種々の文献報告(参考資料1)がある、イトリゾールとクレメジンについて、試験方法の検討も含め、ワーキンググループで改めて品質について検証することにしたそうです。
- アマンタジン塩酸塩錠(シンメトレル)
- イオパミドール注射剤(イオパミロン)
- クラリスロマイシン錠(クラリス、クラリシッド)
- トリアゾラム錠(ハルシオン)
- プラバスタチンナトリウム錠(メバロチン)
- ブロチゾラム錠(レンドルミン)
- ロキソプロフェンナトリウム錠(ロキソニン)
- ノルフロキサシン錠(バクシダール)
読売新聞よれば、この検証で製薬企業側に不適切なデータ取得などの不正が見つかれば、承認取り消しなど厳正な処分を行い、医療現場に広がる後発医薬品に対する不信感の一掃を図りたいとしています。
関連情報:TOPICS 2007.10.16 後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム
参考:
『後発医薬品の試験・検査』(MELIT 2008.8.3)
http://melit.jp/voices/koizumi/2008/08/03/post_91.html
読売新聞7月9日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080709-OYT8T00465.htm
[後発品]品質検証新システムが導入される?(薬局のオモテとウラ7月12日)
http://blog.kumagaip.jp/article/16881203.html
2008年08月30日 02:02 投稿
9月2日の毎日新聞が、クレメジン、ウテメリンについての関連記事を掲載しています。
ジェネリックの光と影〜効果、安全性に問題の薬も(毎日jp9月2日)
http://mainichi.jp/life/health/news/20080902ddm013100078000c.html
9月9日の毎日新聞が関連記事を掲載しています。(記事掲載は1ヶ月程度です)
ジェネリックの光と影〜「認可条件緩い」と敬遠(毎日jp9月9日)
http://mainichi.jp/life/health/news/20080909ddm013100138000c.html
TDMの必要な薬などの理由がはっきりしているのであれば、処方せん発行医療機関は(変更不可の理由を)はじめからきちんと明らかにすることも必要かもしれませんね。