薬局でのたばこ販売禁止条例は憲法違反か（米国）

　9日、米国サンフラシスコ地元各紙は、10月1日から事実上の実施が予定されている、薬局での販売を禁止する条例（TOPICS　2008.7.30）について、規制全米でドラッグストアを展開する「ウォルグリーン」（サンフランシスコには54の店舗を構える）は、実施の差し止めを求める請求を裁判所に起こしたと伝えています。

Walgreens seeks to stop S.F. tobacco ban
　（San Francisco Chronicle　2008.9.8）
　http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2008/09/09/BA2712Q9IG.DTL

Walgreens Sues SF Over Tobacco Ban（cbs5.com 2008.9.8）
  http://cbs5.com/local/walgreens.tobacco.lawsuit.2.813670.html

　理由はやはり、Costcoなど大規模店（Big Box）、Safewayといった食品スーパー（こういったところにも薬局があると主張）での販売を認めて、特定の薬局だけに規制がかけられるのは疑問だというもので、同社では「これは競争の原理に反し、憲法違反である。条例が実施され、喫煙者がたばこを他の店舗で購入するようになったら、我々が販売している禁煙補助薬にアクセスしなくなってしまうかもしれない」と訴え、ドラッグストアがたばこと禁煙補助薬の両方を販売することのメリットも主張しているそうです。(日本のドラッグストアでも同じことを言いそうですね)

　一方、Boston　Globe紙などによれば、ボストン市でも薬局の他、大学キャンパス内、葉巻バー、ホテル等でのたばこの販売を禁止する条例が先週仮承認されたそうです。

Health panel gives initial nod to new limits on sale, use of tobacco
（Boston Globe 2008.9.5）
　http://www.boston.com/news/local/articles/2008/09/05/
　　health_panel_gives_initial_nod_to_new_limits_on_sale_use_of_tobacco/
Hub eyes new limits on tobacco（Boston　Herald com. 2008.9.5）
　http://www.bostonherald.com/business/general/view.bg?articleid=1117083

　日本では、神奈川県の禁煙条例（TOPICS2008.9.9）が、神奈川県だけで実施されるのはおかしいなど、多くの反対にあって骨抜きにされていまいましたが、米国ではこういった大都市単位でも多くの批判を浴びながらも健康を守るための決断が行われています。

　これでは近い将来、日本でのたばこ対策の遅れを欧米各国から批判を浴びてしまわないでしょうか。

関連情報：TOPICS 2008.7.30 薬局でのたばこ販売は禁止へ（米サンフランシスコ市）

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2008年09月10日 12:43 投稿