いよいよ2年後には実務実習の薬学部の学生が私たちのところにやってきます。既に学生の受け入れを決めている施設も多いのではないかと思います。
皆さんもご存じのように、現在6年制の教育はモデル・コアカリキュラムに沿って行われていますが、地域薬局における実務実習も例外ではありません。私たちは、「実務実習モデル・コアカリキュラム・薬局実習方略」(文部科学省HPにリンク)に沿って学生を教えることになるのですが、薬局業務の流れや管理方法、また正しい実務や医療従事者としての心構えや倫理観など教えるべき範囲は多岐に及んでおり、実際にとなると不安に思われている方も少なくないのではないでしょうか?
そんな不安を解消する実務書がこのたび、医学関連書籍を出版している羊土社(http://www.yodosha.co.jp/) から出版されているので紹介したいと思います。
この書籍は、「ビジュアル薬剤師実務シリーズ」として、今年9月に先行刊行された「薬局調剤の基本」「薬局管理の基本」(写真をクリックすると、羊土社の紹介ページにリンクします)の2冊で、当研究会世話人の鹿村恵明など、薬科大学の実務教員らが執筆しています。
タイトルの通り、薬局実務について解説した書籍で、薬局業務が実際にどのように行われているか、また行うべきかを現場の写真(実践例)をふんだんに用いてわかりやすく紹介しているのが特徴です。
「薬局調剤の基本」では、調剤業務の実際について、実際の流れに沿って具体例を挙げて解説しているのが特徴で、まだ病院実習さえも一般的ではなかった私たちの世代にとっては、理解が十分とはいえない標準的な調剤業務、調剤で必要な標準的な手技等が紹介されているので、自己流で行ってきた私にとっては、自分のやり方が適切であるかどうかを考えるよい機会となりました。
また、「薬局管理の基本」では、薬局の果たすべき役割や薬局倫理を記したうえで、医薬品の管理や医薬品情報の収集と管理、またなかなか実践的な解説書が少ない在宅医療やセルフメディケーション、教育や学習方法などについてもわかりやすく解説していて、地域医療の担い手として、薬局はどのような業務を行うべきかを見直すよい機会となるものと思われます。
ビシュアル薬剤師実務シリーズは、今後病院薬局業務についての2冊(「病院調剤と医薬品管理の基本」「病棟業務の基本」いずれもタイトルは予定)の出版が予定されており、こちらも注目したいと思います。
資料:実務実習モデル・コアカリキュラム(文部科学省ウェブサイト)
2008年10月26日 01:05 投稿