中外製薬12日、インフルエンザ対策として備蓄されている(行政備蓄品)タミフルカプセルについて、有効期間を5年から7年に延長する承認を得たと発表しました。
新型インフルエンザ対策用として行政備蓄される抗インフルエンザウイルス剤「タミフルカプセル75」の有効期間延長について (中外製薬プレスリリース 11月12日)
タミフルについては、2005年から約544億円を投じて、新型インフルエンザ発生時の治療用として国と都道府県が合計2100万人分、予防用として国が300万人分の備蓄が始まっていますが、当然使用期限(5年)があり、今後廃棄や買い換えの問題が検討されていました。読売新聞によれば、これにより年間数十億円の節約になるとのことですが、通常のインフルエンザに処方される市場流通品については、従来どおり使用期限は5年のままだそうです。
行政備蓄品を実際に見たことはありませんが、新聞記事などで備蓄の写真を見た限りでは一般に流通しているものと同じようにしか見えません。医療機関(薬局)で、何年もタミフルがデッドストックになることはほとんど考えられませんが、なぜ市場流通品も使用期限を延長にしないのでしょうか? 同じ薬なのに使用期限が異なるというのは、疑問を感じざるを得ません。
また、行政備蓄品についてもたとえば1シーズンごとに卸に返品して、新しいものにして、返品されたものを市中の医療機関で消化するという仕組みにするということもできないのでしょうか? (もしかしたら、卸が備蓄を代行しているところもあるかもしれませんが) そうすれば、新たに買い増しなどをしなくても済むからです。
参考:読売新聞11月12日
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081112-OYT1T00552.htm
日本経済新聞11月12日
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081112AT1D1209812112008.html
2008年11月13日 00:34 投稿