規制改革会議、医薬品のネット販売についての見解を公表

 政府の規制改革会議(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/)は11日、一般用医薬品のネット販売について、「消費者の利便性を阻害する」などとした見解を公表しました。

インターネットを含む通信販売による一般用医薬品の販売規制に関する規制改革会議の見解
 (平成20年11月11日)
 http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/2008/1111/item081111_01.pdf 

 見解の内容は、ネット販売業者が主張している意見がほぼ取り入られている一方、「インターネット販売等において発生した副作用被害の実績を全く把握しておらず、店頭での販売に比して安全性に劣る実証的なデータは全く示されていない。」「一般用医薬品の販売時における情報提供や相談応需について、インターネットが対面に劣後するという明確な根拠は見出し難い」として、店頭での販売方法とのイコールフッティング、公平性を確保したIT 時代に相応しい新たなルール整備を早期に行うべきであるとしています。

 時事通信によれば、同会議の松井道夫・医療タスクフォース主査は記者会見で、「省令でインターネットを含む通信販売を大きく規制することは、薬事法の授権範囲を超えている」と述べ、今後事務レベルで折衝しても不調に終わった場合には、担当閣僚級の協議で決着させるとし、強硬の姿勢を続けています。

 一方、薬害オンブズパースン会議は11日、消費者の求める「利便性」は、あくまで「安全性」を前提にしたものであるとした、懸念を発表しています。

一般用医薬品のインターネット販売禁止を求める声を上げてください
 (薬害オンブズパースン会議11月11日)
  http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=623

関連情報:TOPICS
   2008.08.07 医薬品のネット販売制限は消費者の利便を損なうか?
   2008.10.09 ネット販売、規制改革会議の疑問にどう答えるか?
   2008.10.11 風邪薬販売時に薬剤師からの情報提供は必要とされていない?

参考:規制改革会議が見解公表−ネット販売規制を全廃、新たなルール整備求める
   (薬事日報 HEADLINE NEWS 11月13日)
   http://www.yakuji.co.jp/entry8497.html
47NEWS 11月11日(共同通信配信)
   http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111101000991.html
時事ドットコム 11月11日
   http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008111101014

11月13日 13:20リンク追加


2008年11月13日 01:10 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    IT PROに、ケンコーコムの後藤玄利氏のインタビュ−記事が掲載されています。

    行政訴訟も辞さない、徹底的に厚労省と戦う(IT PRO、ITトレンド 11月13日)
     http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081105/318568/

  2. アポネット 小嶋

    日薬は、12日の記者会見(?)で規制改革会議が公表したネット販売規制に関する見解についてコメントを出しているようです。

    規制改革会議に強い不満−「ネット販売」見解へコメント 日本薬剤師会
     (YAKU-JOB.COM NEWS 2008年11月17日 薬事日報配信)
       http://yaku-job.com/news/item_920.html

    記事によれば、「一部一般紙では、業界のエゴといわれてしまっている。われわれ薬剤師会が業界団体として声を上げても、かえって逆効果かもしれない」と述べたそうですが、自分たちが、今まできちんと対応していたなら、国民やメディアは薬剤師のエゴなどとは思わなかったはずです。

    副作用被害者の人たちと連携することも考えているそうですが、彼らに対して組織として応える取り組みを今まで行ってきたのですか? 私には、都合のよいときだけ利用しているようにしか思えません。

    自分たちの主張に自信があるのなら、まず自らのウフェブサイトで自分たちの考えを訴え、国民や会員に呼びかけることが先決です。記者会見の内容をコソコソと伝え聞くのでは、会員には考えは伝わりませんよ!!