コンビニエンスストアの新たな課題と今後のあり方などを総合的に検討してきた経済産業省の「社会インフラとしてのコンビニエンススストアのあり方研究会」は4月20日、「競争と協働の中で社会と共に進化するコンビニ」と題する研究会報告書を公表しています。
「社会インフラとしてのコンビニエンスストアのあり方研究会」の報告書公表について
(経済産業省2009年4月20日)
http://www.meti.go.jp/press/20090420007/20090420007.html
(店舗事例集のNo.14 No.15で、医薬品販売を行っているコンビニが紹介されています)
この報告書では、コンビニの今後期待される取組と課題について、環境、安全・安心、地域経済活性化、消費者への利便性向上の4つに大別してまとめています。私たちと関係あるところでは、「青少年の健全育成:酒類・たばこ等の販売における年齢確認の徹底」(p51-54)、「医薬品販売」(p91-98)について、現状と今後の課題が記されています。
「酒類・たばこ等の販売における年齢確認の徹底」については、、明らかに成人だとわかる場合を除き、免許証などの年齢確認可能な証明書の提示を利用者に求めるべきであるとの声が多い一方、「業務妨害をされる恐れがある」「証明書の提示を拒否された場合に強制できない」などの不安の声も多いとして、コンビニ業界など小売業界が酒・たばこ等の販売時の身分証提示に関する自主基準を強化し、遵守の徹底を行うことや、行政と連携して対面販売時における年齢確認に関する広報啓発活動を推進するなど、消費者の更なる意識改善に努めることを提言しています。
一方、「医薬品販売」については、コンビニオーナーは全体の80%余りが今後取り扱いたいとしながらも、「商品知識が不足し、十分にお客様に説明できないのではないか」「自らが資格を取りづらい上、資格者を雇うコストが高いのではないか」といった、消費者への情報提供や販売コスト等の不安がある他、営業時間の半分以上で販売しなければならないとする薬事法上の規制(省令)が大きなネックとなっていると指摘してます。
報告書では、資格者の受験資格や「営業時間の2分の1以上の販売時間」基準などの見直し、店舗の立地や消費者のニーズを踏まえ、「オフィス街なら、日中に販売」、「商店街なら(薬局が閉店している)夜間に販売」というように、ニーズの高い時間に限って販売することができるような制度改正をコンビニ業界として検討・提案していくことを提言しています。
報告書ではこの他に、深夜に鎮痛剤購入等が身近なコンビニで実現すると、救急車利用の減少を通じた救急医療に係る費用削減という効果も期待できる(論理の飛躍だとは思いますが)、消費者利便性のより一層の向上のための処方薬のコンビニ受け取り等の新たなサービスなどについての記載があります。
参考:経済産業省/社会インフラとしてのコンビニのあり方をとりまとめ
(流通NEWS 2009年4月21日)
http://www.ryutsuu.biz/topix/b042114.html
2009年04月23日 13:59 投稿