米FDA、インフルエンザ治療薬の承認外使用を認める

 WHOは豚インフルエンザが世界各地で拡大している事態を受け、27日、2度目の緊急委員会を開き、警戒レベルを現在のフェーズ3から4に引き上げることを決めています。

Statement by WHO Director-General, Dr Margaret Chan
 (WHO 2009.4.27)
 http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2009/h1n1_20090427/en/index.html

 上記声明でチャン事務局長は「世界的大流行(パンデミック)の可能性は増しているが、避けられないわけではない」とし、各国に冷静な対応を呼びかける一方、新たな情報によっては、警戒レベルを引き上げたり、また引き下げることもありうるとしています。

 一方対策については、「封じ込めは現実的ではなく、感染拡大の沈静化策に焦点が当てられるべきだ」とし、国境の閉鎖や旅行の規制などは行わないよう各国に勧告するとともに、病気とみられる人の旅行の見合わせや海外旅行後に症状が出た人に治療を促すことの方が賢明であると呼びかけています

 また、季節性インフルエンザに対するワクチンの生産については当面は継続すべきだとしています。

 米FDAは27日、米国政府が豚インフルエンザが国民の健康に対する非常事態を宣言したとして、疾病管理予防センター(CDC)の要請を受け、インフルエンザ治療薬の承認外の使用を認めるステートメントを発表しています。、

FDA Authorizes Emergency Use of Influenza Medicines, Diagnostic Test in Response to Swine Flu Outbreak in Humans(FDA 2009.4.27)

 これにより、タミフルの1歳未満の使用や、1歳以上の乳幼児についても医師の判断で用量を調節できるとのことです。FDAではもし有害事象が発生した場合には、MedWatch Adverse Event Reporting program を利用して、電話・電子メール・オンラインで報告するようステートメントで呼びかけています。

 日本でも、もしこういった状況になった場合、現在10代への使用が原則禁止されているタミフルはどうなるのでしょうか?

関連情報:
  Emergency Use Authorization of Tamiflu(oseltamivir)(CDC)
    http://www.cdc.gov/h1n1flu/eua/tamiflu.htm
  Emergency Use Authorization of Relenza(zanamivir)(CDC)
    http://www.cdc.gov/h1n1flu/eua/tamiflu.htm

参考:ロイター日本版(4月28日)
 http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-37738520090428

5月1日 15:00 リンク追加


2009年04月28日 14:59 投稿

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