カナダ・オンタリオ州の保健省は6日、テレビ電話を用いた処方薬の自動販売機(以下、自販機)の導入を認める方針を明らかにしています。
Filling Prescriptions to Get Easier
(Ministry of Health and Long-Term Care 2009.5.6)
LEGISLATION SUPPORTING REMOTE DRUG DISPENSING
(Ministry of Health and Long-Term Care 2009.5.6)
この導入計画は、2006年に出された行動計画(Transparent Drug System for Patients Act, 2006)によりすすめられているもので、2008年6月から行われた試行事業(800人、12000処方)でもトラブルはなかったとのことです。
この自販機販売ではまず処方せんをスキャニング、オンラインで薬剤師がそれを確認、TV電話を通じて患者さんに服薬指導を行った後、自販機から処方薬が排出されるという仕組みで、narcotics、controlled substanceなどの規制薬を除く340の処方薬の販売が可能だそうです。
下記ニュースサイトが動画も用いて紹介しています。
Drug Dispensing Machines May Change The Way You Fill Your Next Prescription(City.News.Ca 2009.5.6)
http://www.citynews.ca/news/news_34345.aspx
近く示される関連法の改正を経て、導入される見込みのようですが、実際の設置は医療モールやメディカルセンターが中心ではないかと伝えられており、また、この自販機の設置が適切かどうかの判断を薬剤師会に委ねることが検討されているようです。
薬剤師数の少なさや広い国土などを考慮すると、IT技術を活用した今回の取り組みは多くの支持が得られると思いましたが、CTV.Ca記事(→リンク)によせられるコメントをみると、「わかりづらい手書き処方せんを読み取れるのか」「私だったら使わない」など、慎重な意見を寄せる人も多く、カナダの薬剤師への信頼の高さもうかがわせました。
参考:Ontario set to allow medication vending machines
(CTV.Ca 2009.5.6)
http://www.ctv.ca/servlet/ArticleNews/story/CTVNews/20090506/
dispensary_090506/20090506?hub=Health
2009年05月07日 11:51 投稿