テストステロン外用薬は子どもが触れないようにすべき(米FDA)

 米FDAは7日、テストステロン配合ゲル(1%)について、小さな子どもが誤って曝されると有害事象が生じる可能性があるとして、注意を呼びかけています。

Testosterone Gel Safety Concerns Prompt FDA to Require Label Changes, Medication Guide(FDA NEWS 2008.5.7)
 http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm149580.htm 

 FDAによれば、テストステロンゲルが指に付着した状態で子どもに触る、塗ってある場所を子どもが触るなどするなどにより、小さな子どもがテストステロンに曝されると、性徴の早まり、ペニス・クリトリスなどの腫大、陰毛の発育、骨年齢の進行、性欲亢進などの有害事象(9ヶ月から5歳までの8例の報告有り)が生じる可能性があるとして、テストステロン暴露防止として、次のような勧告を行っています。

  • 使用にあたっては、石けんと温水で十分手を洗う
  • 塗布部のゲルが乾くまでは衣服で覆う
  • 皮膚と皮膚が接触するような場合は、塗布部を石けんと温水で完全に洗い流す
  • 女性や子どもは、(男性の)塗布部に触れないようにする
  • インターネット上には未承認の同様なものが溢れており、これらにも同様の有害事象の可能性がある

 このテストステロンゲルは、米国では男性のテストステロン不足を補う目的で上腕部や肩に塗布するという処方せん医薬品ですが、日本では、「男性ホルモン分泌不足くによる性器の神経衰弱の諸症状即ち勃起力減退、早漏、陰萎、性欲欠乏、性感減退、遺精等の改善、女性恥部無毛症」などの効能で、1%軟膏剤として販売されている第一類医薬品(グローミン、ダンテルモンMパスター、ヘヤーグロン、トノス=配合剤)で、いわゆる「相談しにくい薬」として、薬事法改正を控えた現在でもネットで広く販売されています。

グローミン(大東製薬工業HP)
 http://www.daito-p.co.jp/gm.htm

 日本では使用部位が局部であることから、米国のようなケースは考えにくいですが、販売時にあたってはこういった情報提供を行うなど、十分留意することは必要でしょう。

参考:FDA Orders Label Warning for Testosterone Gels
     (Health Day 2009.5.7)
      http://www.healthday.com/Article.asp?AID=626906


2009年05月08日 10:49 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    「ミクロゲン・パスタ」もこれに該当しますね。

    ミクロゲン・パスタ添付文書(PMDA 一般用医薬品添付文書)
      http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J0601007662_01_A.pdf

    メチルテストステロンが1%、プロピオン酸テストステロンが0.5%含まれます。

    こちらは、局部以外にも使用するので、注意が必要かもしれません。