病院薬剤師の関与が高齢入院患者の利益につながる(海外研究)

 高齢者の入院患者に病院薬剤師が関与することで、高齢患者の利益や医療費の削減につながるとした論文です。

 (薬剤師関連のstudyについて、一部については下記のスタイルで紹介することにしました。記述法などに誤りがございましたらご指摘下さい。)

研究の
目的や背景
病院薬剤師による患者指導などの病棟業務(interventions performed by ward-based pharmacists)が高齢の入院患者の合併症や入院治療の頻度(use of hospital care)に影響を与えるか
研究の方法 ランダム化比較試験
どんな患者が研究の対象? スウエーデン、Uppsala大学病院の2つの内科病棟に入院する80歳以上の高齢者400人(平均年齢86.6歳、女性が58.7%)
どんな介入? 病棟薬剤師による薬物療法のレビュー、薬剤選択・用量・モニタリングなどについて処方医へのアドバイス、患者へのカウンセリング、退院2ヶ月後の電話によるフォローアップ
何と比較? 病棟薬剤師が直接的に関わらない標準ケアを行った患者
わかったこと 介入後1年間追跡調査を比較したところ、病棟薬剤師による患者指導などが行われた群では、対照群と比べ再入院数が16%、緊急訪問室の利用が47%、薬剤関連の再入院が80%、医療費が230ドル減らすことができた
コ メ ン ト アブストラクトなので、具体的にどのような介入を行ったのかは不明ですが、研究者らは薬剤師が医療チームに参加することにより、医療費の削減や入院リスクの減少に貢献すると結論してます。全文を読んでみたい論文です。
論 文 名 A Comprehensive Pharmacist Intervention to Reduce Morbidity in Patients 80 Years or Older
掲載雑誌等 Arch Intern Med. 2009;169(9):894-900.
リ ン ク http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/169/9/894

参考/論文紹介記事:
Pharmacists in healthcare teams reduce morbidity and cut care costs for old patients
 (The Pharmaceutical Journal 2009;282:578)
http://www.pjonline.com/news/
pharmacists_in_healthcare_teams_reduce_morbidity_and_cut_care_costs_for_old_patient
s
Pharmacist intervention reduces morbidity in hospitalised elderly patients
 (NeLM news service 2009.05.12)
http://www.nelm.nhs.uk/en/NeLM-Area/News/2009—May/12/
Pharmacist-intervention-reduces-morbidity-in-hospitalised-elderly-patients/


2009年05月15日 01:28 投稿

Comments are closed.