23日のTOPICSで、新型インフルエンザの流行期にはファックス処方せんでも調剤が可能とする通知が出されたことを紹介しましたが、26日この通知に関する診療報酬上の取り扱いについての留意事項が出されました。
電話による服薬指導でも薬剤服薬歴管理指導料等が算定できることや、タミフルを脱カプセルして調剤を行った場合の請求方法などが記載されています。
新型インフルエンザに関連する診療報酬の取扱いについて
(厚生労働省保険局医療課 2009年5月26日)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/05/dl/info0527-01.pdf
(問1) 事務連絡の「1.ファクシミリ等で処方せんが送付されるケース」にあるように、かかりつけ医等が、電話による診療の結果、ファクシミリ等により抗インフルエンザウイルス薬等の処方せんを発行する場合、保険医療機関は、電話再診料、処方せん料を算定できるのか。
(答) 算定できる。
(問2) ファクシミリ等により抗インフルエンザウイルス薬等の処方せんを受け付けた保険薬局において当該医薬品に係る調剤を行った場合、調剤技術料及び薬剤料は算定できるのか。
また、事務連絡の「3.薬局における対応」にあるように、医薬品の調剤時において、新型インフルエンザ患者との接触を避けるため、電話にて服薬指導を行った場合、薬剤服薬歴管理指導料等の薬剤師からの説明が要件となっている点数は算定できるのか。
(答) 調剤技術料及び薬剤料は算定できる。
薬剤服薬歴管理指導料等は、電話にて適切な指導を行っており、その他の要件を満たしていれば算定できる。
(問3) 新型インフルエンザの流行によりタミフルドライシロップ3%(成分名:リン酸オセルタミビル)の入手が困難な場合において、当該製剤の投与対象となる患者に対して、タミフルカプセル75mgを脱カプセルし、賦形剤を加えて調剤した上で交付した場合、薬剤料の算定は可能か。
(答) 新型インフルエンザの流行によりタミフルドライシロップ3%が入手困難な場合であって、当該薬剤の投与が必要な患者に対して、タミフルカプセル75mgを脱カプセルし調剤したものをタミフルドライシロップ3%の用法・用量に従い投与した場合に限り、薬剤料の算定は可能である。
この場合、脱カプセルしたタミフルカプセル75mgに係る薬剤料については、オセルタミビルの実際の投与量に相当する分(例えば、5日間でオセルタミビルとして合計262.5mg投与する場合は、タミフルカプセル75mgの3.5カプセル分)を請求するものとし、院内処方の場合には医科レセプトの摘要欄に、院外処方の場合には調剤レセプトの摘要欄に、それぞれ「タミフルドライシロップ不足のため」等のやむを得ない事情を記載すること。
なお、タミフルドライシロップ3%の使用を優先することは当然であるが、その入手が困難であり、かつ、医療上その投与が必要と判断される状況においては、タミフルカプセル75mgを脱カプセルしてタミフルドライシロップ3%の用法・用量に従い投与することについて、本剤の服用方法や米国においても同様の方法が推奨されていることに鑑み、有効性・安全性上、ドライシロップ3%と異なるような特段の問題は生じないと考えている旨を医薬食品局審査管理課に確認済みであることを申し添える。
新型インフルエンザの感染拡大はようやく収束の兆しを見せていますが、この秋以降、インフルエンザが流行した際、薬局の現場では混乱必至でしょうね。日薬も、会員向けにきちんとした業務指針を策定して、会員に徹底してもらいたいものです。
なお、タミフルカプセルの脱カプセルをした場合の調剤方法については、日病薬が指針を示しています。
新型インフルエンザの治療・予防投薬におけるタミフルドライシロップが不足した場合の対応について
(日本病院薬剤師会2009年5月27日更新)
http://www.jshp.or.jp/cont/090527-s.html
関連情報:TOPICS
2009.05.23 感染拡大防止にファックス処方せんでの調剤もOK
2009.05.15 海外公的機関 医薬品安全性情報Vol.7 No.10
2009.04.28 米FDA、インフルエンザ治療薬の承認外使用を認める
2008.10.28 パンデミック対策に、抗ウイルス薬のスイッチを検討(米国)
(記事中、ロシュ社資料p65に脱カプセルした場合の取り扱い方法についての記載あり)
Emergency Use Authorization of Tamiflu(oseltamivir)(CDC)
http://www.cdc.gov/h1n1flu/eua/tamiflu.htm
「タミフルドライシロップが不足した場合は」
(another side of ”d-inf” 5月25日)
http://hello.ap.teacup.com/d-inf/1840.html
「新型インフルエンザ:とりあえずファックスで調剤って?」
(another side of ”d-inf” 5月27日)
http://hello.ap.teacup.com/d-inf/1841.html
新型インフルエンザに関連する診療報酬の取扱について
(日本病院薬剤師会2009年5月27日)
http://www.jshp.or.jp/cont/090527.html
5月28日 17:30 リンク追加
2009年05月27日 11:56 投稿