新型インフルエンザで今年は盛り上がりに欠けましたが、きのう5月31日は世界禁煙デーです。今年のテーマは、“Tobacco Health Warnings”で、WHOでは世界禁煙デーに先だって29日、各国政府に対し、たばこのパッケージに健康を害することを記した写真による警告文の義務付けを行うべきとした声明を発表しています。
Call for pictorial warnings on tobacco packs(WHO 2009.5.29)
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2009/no_tobacco_day_20090529/en/index.html
WHOが世界禁煙炎デーに向けて作成した冊子“SHOWING THE TRUTH, SAVING LIVES: THE CASE FOR PICTORIAL HEALTH WARNINGS”によれば、写真入り警告文を用いたパッケージを導入しているのは、既に22か国に達しており、アジア中東地域では、いち早く導入をしているシンガポール、タイに続き、香港、マレーシア、ヨルダン、イランなどの欧米以外の国での導入も始まっています。(Web記事によれば、フランス、スイス、ラトビアでも近く導入のようです)
SHOWING THE TRUTH, SAVING LIVES: THE CASE FOR PICTORIAL HEALTH WARNINGS(WHO)(各国のたばこのパッケージが掲載されています)
http://www.who.int/tobacco/resources/publications/wntd/2009/materials/brochure/en/index.html
http://whqlibdoc.who.int/publications/2009/9789241598040_eng.pdf
WHOによれば、タバコが有害であると思っていても多くの人は健康リスクを理解していないことが研究で明らかになっている一方、写真入り警告文を用いたパッケージを導入したブラジル、カナダ、シンガポールとタイなどでは、健康リスクの認識向上、喫煙行動に対する変化や禁煙の動機付けに有効であることが明らかになった他、ニュージランドではQuitline(たばこをやめたい人のための相談窓口)の利用が過去6ヶ月に比べて14%が増加、タイや豪州では若者向けの対策としても有効だったそうです。
WHOでは、「たばこのパッケージに健康を害することを記した写真による警告(文)は、簡単で安価で効果的なたばこ対策である。そして、タバコ使用を減らし、命を救うことができる。しかし、まだ世界の人々のわずか10%にすぎない。」としていますが、果たして日本での導入はいつのこととなるでしょう?
関連資料:2009年禁煙デー資料(世界のたばこ包装警告表示)
(日本禁煙推進医師歯科医師連盟 http://www.nosmoke-med.org/)
http://www.nosmoke-med.org/PDF/warnings09.pdf
関連情報;TOPICS
2009.04.04 たばこアルコール対策者講習会資料
2008.10.12 英国でもたばこの包装に写真入り警告文が登場
2008.02.27 たばこの包装裏面90%に写真による警告文(NZ)
2007.09.13 たばこパッケージの健康警告デザインコンテスト
2006.05.29 たばこのパッケージに視覚に訴える警告は必要
2009年06月01日 00:26 投稿