11日、ニールセン・カンパニー合同会社(http://jp.nielsen.com/)は、非処方せん薬の使用に関するグローバルオンライン消費者調査の結果の概要を発表しました。
ニールセン、世界の非処方箋薬の使用動向を発表
世界の消費者の半数近くが、景気低迷の影響で非処方箋薬の使用を変更
(ニールセン・カンパニー合同会社 ニュースリリース2009年6月11日)
http://www.jp.nielsen.com/site/documents/J_20090611_OTC_world_trend.pdf
この調査結果は、世界50か国の25,000人を超えるインターネットユーザーを対象に、2009年3月に実施された「ニールセン・グローバルオンライン消費者調査」から明らかになったもので、世界経済危機が非処方せん薬の使用頻度やタイプにどのような影響を与えているかなどが示されています。
このうち、注目すべき点は、グラフ3の「非処方せん薬を決める際に、何が重要となりますか?」という設問への回答です。(関連資料グラフ1-3→リンク)
調査によれば、欧州の消費者では、「薬剤師のアドバイスが薬剤選択の上で非常に重要である」と答えた人が平均で38%(ベルギー・スペインでは50%超)を占めているのに対し、日本では15%、米国では13%にとどまったそうです。(世界平均は27%、タイでも50%を超えているそうです)
ニュースリリースでは、「薬剤は自己選択である”という国民の考え方が、根強く反映している」としていますが、私は消費者の選択の名の下にすすめられた、経営効率化としての「セルフ販売」定着の影響が大きいものと考えます。
また、日本では「価格重視」(40%)や、「自信が持てる製品」(35%)などといった重要度も他国と比較して突出しており、こういった点からも「薬剤師からの助言」よりも「自己判断」による購入が広く進行していることを伺わせます。
この20年来、薬剤師がいかにOTCの販売に当たって十分な説明を行ってこない、販売そのものに力をいれてこなかったツケが数字となって現れているといえましょう。
元となるデータが入手できればと思います。
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2009年06月12日 14:36 投稿