米FDAは12日、ロイコトリエン受容体拮抗薬のモンテルカスト(シングレア・キプレス)、ザフィルルカスト(アコレート)、Zileuton について、服用している人の中で、精神神経系の症状が出ているとして、製品情報に注意文を盛り込むよう求めました。
FDA Requests Labeling Change for Leukotriene Modifiers
(FDA Press Annoucement 2009.6.12)
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm166293.htm
Updated Information on Leukotriene Inhibitors: Montelukast (marketed as Singulair), Zafirlukast (marketed as Accolate), and Zileuton (marketed as Zyflo and Zyflo CR)(→リンク)
(Postmarket Drug Safety Information for Patients and Providers 2009.6.12 Update)
FDAではこの間、製薬会社からの post-market reports を検討、データは限られ、因果関係は認められないとしながらも、攻撃性、悪夢、抑うつ傾向、自殺の考えやふるまいなどの精神神経系の事例(FDAでは睡眠障害については共通して比較的報告が多いとしています)があったとして、今回の要請となりました。(現時点では注意文の具体的な表現は明らかにはなっていません。)
FDAでは患者・医療専門職に対しても、次のようなアドバイスをしています。
- 患者・医療専門職は、これら薬剤を使用中に精神神経系の症状が発現する可能性を認識すべきである
- 患者は、これら症状に気付いたときは医療専門職に伝えるべきである
- 医療専門職が、服用中の患者がこれら症状を訴えた場合は、服用の中止も検討すべきである
ロイコトリエン受容体拮抗薬については、モンテルカストが2008年3月27日にFDAの“Early Communication”の対象となったことから、ザフィルルカストなどとともに安全性についての分析が行われ、5ヶ月前には精神神経系症状との因果関係は認められていないという発表が出ていたのですが、今回は他のロイコトリエン受容体拮抗薬も含めて、注意喚起となりました。アナウンス効果で、その後報告が増えていたのでしょうか?
Follow-up to the March 27, 2008, Communication about the Ongoing Safety Review of Montelukast (Singulair)(→リンク)(2009.1.13)
上記日本語訳の一部が、医薬品安全性情報Vol.7 No.4に掲載されています。
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly7/04090219.pdf
上記に関連、医薬品安全性情報Vol.6 No.9
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly6/09080502.pdf
プランルカスト(オノン)も含め、日本で発売されているロイコトリエン受容体拮抗薬の添付文書でも「異夢、易刺激性、情緒不安、痙攣、不眠、幻覚、めまい、感覚異常、激越、振戦、頭痛、傾眠、緊張亢進、神経過敏、興奮」などの精神神経系の症状の記載がありますが、実際のところどの程度の発症頻度なのでしょうか?
関連記事:
FDA says users of Singulair and similar meds should watch for such problems
(Health Day 2009.06.12)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=628062
2009年06月13日 12:20 投稿