医薬品のネット販売規制訴訟の初公判が開かれる

 14日、ケンコーコムとウェルネットの2社が、医薬品のネット販売を行う権利の確認および省令の無効確認または取り消しを求めた行政訴訟(TOPICS 2009.5.25)の第1回公判が14日、東京地裁所で行われ、原告側からの意見陳述が行われています。下記、WEBニュースが伝えています。

医薬品ネット規制訴訟初公判、原告は「省令はネット潰し」と主張
 (INTERNET Watch 7月14日)
 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090714_302200.html

医薬品ネット販売規制「違憲の暴挙」–ケンコーコムらの行政訴訟初公判
 (CNET JAPAN 7月14日)
 http://japan.cnet.com/sp/drag/story/0,3800097284,20396652,00.htm

「重大な憲法事件」,医薬品ネット通販規制行政訴訟の初公判
 (IT PRO 7月14日)
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090714/333812/

医薬品ネット販売訴訟始まる
 (医療介護CBニュース7月14日 一定期間を過ぎるとログイン必要)
 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/23251.html

 ケンコーコムの後藤氏は意見陳述で、改正薬事法施行後の7月でも、第2類医薬品が薬剤師でも登録販売者でもないアルバイトの店員が販売している現状がある指摘する一方、伝統薬のメーカーの一部に改正薬事法の施行直前に特例販売業許可を取得し、通信販売を行っている現状を説明し、「厚労省は実態として店舗が情報提供を行わなくても看過し、伝統薬メーカーの脱法行為まで容認している。」と厳しく批判しています。

 原告らはまた、以下の3点について、求釈明書が提出され、国側からの回答については8月10日、被告の反論については8月25日を期限として設定されました。

  1. 6月1日以降も店舗等における対面販売での情報提供に変化が見られないが、厚労省としてどのような取り締まりを行う予定であるか
  2. 再春館製薬所など一部の会社が、一部の会社が特例販売業を利用して僻地から全国に向けて医薬品を行っている実態について、厚労省は知っているのか。脱法行為でないと解するのであればその理由は何か
  3. 薬事法36条の6第4項で第1類医薬品の情報提供について、購入者から説明を要しない意思の表明があった場合、条文を適用しないとしていながら、インターネットで情報提供し、それで十分であるという購入者の意思が表明されてもネット販売が禁止される理由は

関連情報:TOPICS
  2009.05.25 ネット販売規制は違憲、ケンコーコムなどが提訴
  2009.07.05 特例販売業のかけこみ取得で伝統薬の新規通販は可能

15日9:00更新


2009年07月15日 01:06 投稿

コメントが2つあります

  1. 狭い範囲での実際です。ネットで2類を購入できています。一部では処方せん薬も買えるサイトがあるそうです。一方で 1類は薬剤師不在でも買えます。あるドラッグチェーンは 平然と売っています。これが現実。
    友人は遅ればせながら 学校薬剤師として ボランテイアで子ども達に薬の正しい知識を伝え始めています。子ども達の素直な感想と真摯な意見に感動したそうです。ここにいたる道のりには 学校の先生たちとの交流を積み重ねてきた実績があります。
    思い返せば 学校の教師達が タバコの害について教え始めて20余年。今や 禁煙が当たり前になりました。
    薬のリスクを 誰が伝えてきたのでしょうか?
    漫然と与えられた薬を使っていれば 治ると信じている人々を 増やしてきたのは 誰でしょうか?
    してこなかったツケを これから払うための薬剤師の行動が大切なのでは ないでしょうか?
    お上頼みではない薬剤師としての社会貢献の中味です。
    違法でも薬が欲しい大人や 違法でも儲けたい大人に怒っているヒマがあったら、真摯に未来の大人へのメッセージを広げる努力をするべきかもしれません。
    厚労省の役人が 今まで調剤薬局にはそのチャンスと経営余裕を与えたはずだと 述べています。
    消費者教育が 効を出し始めました。ここ10年の取り組みです。
    時代の流れと共に消費者庁が出来ます。
    薬剤師も 「流れ」を自ら作っていくべきですよね。

  2. 今思えば恥ずかしいことですが、私は薬剤師になりたての頃、ドラッグストア等での無免許販売の取り締まりは、薬剤師会が中心になって行なっているものと思っていました。
    なにせ薬剤師の団体ですから、自らの業界を律するのは当然だと。悪いイメージがつくと結局自分たちの首をしめることになりますからね。

    薬剤師会は、業界で何がおこっているのかを広く国民に周知すべきだと思います。

    「□□な問題が起こっていて、それを解決するために我々は○○を行なっている。国民の皆さんには、△△のようにしていただくと問題を回避できると考えています。」

    などと、矜持を持って主張すべきです。

    日本では出来ないのでしょうか?イギリスでは出来るのに。