抗インフルエンザ治療薬の有害事象報告(英MHRA)

 新型インフルエンザ対策として抗ウイルス薬の処方が広く行われている英国ですが,英国医薬品庁(MHRA)は21日,今年4月1日から8月13日までに報告された有害事象に関するデータを公表しています。

Suspected adverse drug reaction (ADR) analysis for influenza antivirals Tamiflu (oseltamivir) and Relenza (zanamivir)(MHRA 2009.8.21 203Kb)

Suspected antiviral side effects(NHS Choices 2009.8.21)
 http://www.nhs.uk/news/2009/08August/Pages/ReportingAntiviralSideEffects.aspx

 今回のデータは,製薬会社からの報告とイエローカード副作用報告システムを通じて報告されたものをまとめたもので,この期間にタミフルでは533件895例,リレンザは12件19例の有害事象と疑われる事例があったそうです。

 このうちタミフルの有害事象は,発疹などの軽いアレルギー反応(224例),下痢・嘔吐などの消化器症状(294例),精神神経系の症状(116例),頭痛(12例)など既に知られているものがほとんどですが,ワルファリンとの相互作用(凝血時間の延長)の疑い(現在関連性を調査中)や,死亡例2例(1例は肝不全,もう1例は原因不明),スチーブンス・ジョンソン症候群1例,自殺の考え1例,自殺企図1例などの深刻な事例もあったそうです。

関連情報:TOPICS
 2009.07.06 抗インフルエンザ薬による副作用報告サイトを開設(英国)
 2008.10.20 タミフルと肝障害(WHOレポート)

Swine flu:Antiviral medicines(MHRA)
 http://www.mhra.gov.uk/Safetyinformation/Swinefluinformation/Antiviralmedicines/index.htm

平成21年度第1回薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会
 (2009年6月16日開催)
 資料:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/06/s0616-4.html


2009年08月22日 11:17 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    海外公的機関 医薬品安全性情報Vol.7 No.18で和訳が掲載されました。

    Oseltamivir[’Tamiflu’],zanamivir[’Relenza’]:有害反応が疑われる報告の解析
     http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly7/18090903.pdf