4日夜の各紙が報じており,すでにご存じかと思いますが,厚労省はワクチン接種の優先順位などを記した,「新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチンの接種について (素案)」を公表し,6日,この素案についての意見募集を開始しました。
「新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の接種について(素案)」に関する意見募集について
(意見・情報受付開始日 2009年9月6日 意見・情報受付締切日 2009年9月13日 )
素案は,「新型インフルエンザ対策における予防接種の位置づけ」「ワクチンの接種について」「ワクチンの確保について」「留意事項(安全性の確認の体制・情報の開示など)」の4項目で構成されており。「ワクチンの接種について」の項目で,優先接種の考え方が示されています。
厚労省では,「ワクチンの接種については,確保できるワクチンの量が限られており,一定量が順次供給されることから,死亡者や重症者の発生をできる限り減らすこと及びそのために必要な医療を確保すること,という目標に即し,優先的に接種する対象者を決めるべきである」として,下記の様な優先順位を示しました。
このうち医療従事者というのは,「インフルエンザ患者の診療に従事する医療従事者」というだけで,診療や看護に直接あたる医師や看護師だけなのか,それとも開局の薬剤師や病院内のコ・メディカルスタッフなども含まれるのかは明確化されていません。(意見を出す必要があるかもしれません)
また,基礎疾患を有するものとしては,「呼吸器疾患(喘息を含む。)、心疾患(高血圧を除く。)、腎疾患、肝疾患、神経疾患、神経筋疾患、血液疾患、代謝性疾患(糖尿病を含む。)、免疫抑制状態(HIV、悪性腫瘍を含む。)」が挙げられていて,1歳〜就学前の小児が該当する場合は,接種を優先するそうです。
参考資料1.2には,新型インフルエンザワクチンを理解するのに必要な情報が記されているので,一読することをおすすめします。 (TOPICS 8.29で紹介した資料と若干異なります)
関連情報:TOPICS 2009.08.29 新型インフルエンザワクチンに関する意見交換会資料
2009年09月06日 01:36 投稿
関連ですが,読売新聞が新型インフルエンザワクチンの接種は医療機関を限定すると伝えています。(パブコメではこれには触れていないですね)
読売新聞(9月7日)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090907-OYT1T00003.htm
供給量に限りがある国産ワクチンが全ての医療機関に供給できるわけではないので,当面の措置だと思いますが,接種ができるのは国との委託契約を結んだ医療機関に限定し,対象となる医療機関は市町村や地域の医師会が選定するとの方針を固めているそうです。
そして,持病がある人のかかりつけの医療機関が対象外となった場合は、主治医から「優先接種対象者証明書」を発行してもらい、それを持って国と委託契約した医療機関で接種を受けるということになりそうです。
日薬は,パブリックコメントを提出したようです。11日の定例記者会見で明らかにしています。
「新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の接種について(素案)」について
(日薬定例記者会見 9月11日)
http://www.nichiyaku.or.jp/contents/kaiken/pdf/090911_3.pdf
医療機関や薬局においてインフルエンザ患者と接することが多い薬剤師についても,この医療従事者100万人の対象に含めるよう要望しています。
民間の医薬品監視機関の薬害オンブズパースン会議は14日、13日付でパブリックコメントを提出したと発表しています。
「『新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチンの接種について(素案)』についての意見」提出
(薬害オンブズパースン会議 2009年9月14日)
http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=653