ワクチン優先接種の対象とする基礎疾患の定義(案)

 25日、「ワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の定義について(案)」など、18日に開催された新型インフルエンザワクチンに関する意見交換会(第5回目)の資料が「新型インフルエンザ対策関連情報・ワクチン関連情報のページ」掲載されています。

資料1.ワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の定義について(案)

 前回までの議論を踏まえてまとめられた「ワクチン優先接種の対象とする基礎疾患の定義について」の厚労省の案で、優先接種の対象とする基礎疾患を有する者として、まず下記の疾患・状態で入院中または通院中の者と定義しています。

  1. 慢性呼吸器疾患
    (喘息やCOPD、気道分泌物の誤嚥のリスクのある者を含む。)
  2. 慢性心疾患
    (血行動態に障害があるもの。ただし、高血圧を除く。)
  3. 慢性腎疾患
    (透析中の者を含む。)
  4. 肝硬変
  5. 神経疾患・神経筋疾患
    (免疫異常状態、あるいは呼吸障害等の身体脆弱状態を生じた疾患・状態を対象とする。)
  6. 血液疾患
    (鉄欠乏性貧血、免疫抑制療法を受けていない特発性血小板減少性紫斑病と溶血性貧血を除く。)
  7. 糖尿病
    (妊婦や小児、併発症のある者あるいは、インスリンおよび経口糖尿病薬による治療を必要とする者。)
  8. 疾患や治療に伴う免疫抑制状態
    HIV、悪性腫瘍、関節リウマチ・膠原病を含む。

 さらに、厚労省では接種開始当初はワクチンの供給量が限られているとして、この9疾患と「小児の疾患」のうちハイリスクとなる人の対象基準を関連学会の要望を基に、それぞれ定義しています。

 これだど、軽度の高血圧患者以外はほとんど該当するんじゃないかと思ってしまいますが、CBニュースによれば、一部修正を求める意見が出されたものの、大筋では了承されたとのことです。

資料2.新型インフルエンザワクチンの接種回数について
資料2(別添).2009年9月15日に米国が承認した新型インフルエンザワクチンについて

 国産ワクチンについては、当面2回接種の方針で接種体制の整備を進めるものの、今後国産ワクチンの臨床試験の中間結果や海外で実施される類似ワクチンの試験結果、各国ワクチン接種方針等の海外情報などを踏まえ、1回接種の有効性についても検討。

 輸入ワクチンについては、2回接種を前提に体制の整備を進めるものの、国内外の臨床試験のデー タなどを踏まえて再検討する。

資料3.新型インフルエンザワクチン接種時における季節性インフルエンザワクチン等の同時接種の扱いについて(案)

 医師が必要と認めた場合には、国内ワクチン(既存の製法で問題が少ない)と季節性ワクチンの同時接種については、実施可能であるとし、今後接種要領、Q&A等により情報提供を行う。

 一方」、、アジュバント入りの輸入ワクチンと季節性ワクチンの同時接種については、同時接種を評価したデータはないなどとして、当面の間差し控えることが望ましい。

資料4.保存剤(チメロサール等)が添加されている新型インフルエンザワクチンの使用について

 複数回接種用のバイアル等の開封後の細菌汚染防止に添加されている、エチル水銀由来のメチロキサールは1990年代からしばしば、自閉症等の発達障害との因果関係の可能性が指摘されていることから、厚労省の考え方や、チメロキサール添加の現状が記されています。

関連情報:TOPICS 2009.08.28 新型インフルエンザワクチンに関する意見交換会資料

参考:医療介護CBニュース9月18日


2009年09月28日 00:00 投稿

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