厚労省は23日、新型インフルエンザ用ワクチンを接種した医療従事者について、１９日（月）から２２日（木）までに入手した接種後の副反応報告について公表しています。（厚労省のウェブサイトの掲載はありませんでしたが、日医には、文書で事務連絡が行われています）
新型インフルエンザワクチン接種に係る副反応の報告状況について
(日医通知10月23日)
http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/swine/21chi3_158.pdf
報告のまとめは2つに分かれていて、まず国立病院機構67病院の医療従事者が登録して行われたコホート調査の速報では、22,112人の接種者から、重篤な副反応が4例（両下肢筋肉痛１例、嘔吐１例、動悸（洞性頻脈）１例、嘔吐・発熱・意識低下１例、いずれも回復または軽快）、非重篤の副反応が３例（アナフィラキシー１例、 発熱２例）の報告があったそうです。
一方、「受託医療機関における新型インフルエンザ（Ａ／Ｈ１Ｎ１）ワクチン接種実施要領」に基づき医療機関から厚生労働省宛に報告された副反応症例（何人が接種したかは現時点では不明だが、これらももちろん対象は医療従事者）では、重篤な副反応が２例（アナフィラキシーショック１例、吐気1例、いずれも回復又は軽快）、非重篤の副反応が２３例（じんましん９例、アナフィラキシー２例、アナフィラキシーショック１例、全身の発疹２例、局所の異常腫脹２例、動悸・気分不良・血圧上昇１例、発熱１例、インフルエンザ様症状１例、呼吸困難・ＳｐＯ２低下１例、顔面の搔痒１例、意識消失・吐気１例、頭痛１例）だったそうです。
また、今回報告された計32例のうち、アレルギーの既往歴がある人は16例で、うちアナフィラキシー、アナフィラキシーショックの報告4例については、アレルギーの既往歴（気管支喘息、食物、薬剤アレルギー等）のある人が3例含まれていたそうです。（接種から発症までの時間は10〜15分が3 例、30分が1例）
今回の結果を受け、厚労省は医療機関に対し、次の点に留意するよう呼びかけています
- アレルギー・ぜんそくの既往のある方への接種については、適切な準備と対応をして接種に当たるよう注意をお願いいたします。
- アレルギー・ぜんそくの既往のある方への接種については、ワクチン接種後、少なくとも３０分後までは、病院に待機させ、健康状態をご確認ください。
時事通信によれば、昨年度の季節性インフルエンザワクチンの接種者での副作用報告数の割合より高いのではないかとしていますが、厚労省は「今回は特に丹念に調べていることもあり、比較はできない」と答えているそうです。
いずれにせよ、副反応の報告をきちんと把握できる体制が必要かもしれません。でも、薬剤師特に地域薬剤師は蚊帳の外なのでしょうね。
関連情報：TOPICS 2009.10.05 新型FLUワクチンの副作用報告、医療機関だけで十分か？
参考：新型ワクチンで３２件の副作用 呼吸困難や嘔吐、既に回復
（47NEWS 10月23日）
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102301000927.html
時事通信10月23日
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009102300797
2009年10月23日 23:14 投稿
いつも、重要な情報をタイムリーにありがとうございます。新型インフルについて、不安をもっておられる医療従事者や患者さんが多くおられます。今の時点で、提供できる意見が研究者によって、異なったりするので、情報を集めれば集めるほど解らなくなるのが、我々現場で働く薬剤師です。先日奈良であった公衆衛生学会で、浜先生や小林先生達の意見を聞くと、200例で2つの重症な副作用が出ると言うことは、かなり危ないし、まして妊婦にはもっての他と言われています。タミフルについても同様な意見ですが、新型は、季節性と違うのかどうかで印象として、私は伝播の仕方が違うような気がします。何例か診察した医師によれば、20例に1例くらいいきなり肺でウイルスが増殖している症例にあうと言うことで、重症例を見逃さないのが重要と言われています。治療で
その後タミフルを使用するかどうかで医師と議論をしているのが現状です。インフルワクチンの情報を集めるのが当面の課題かなと思い、忙しい現場にお願いしています。たしかに、保険薬局の薬剤師は蚊帳の外のようですが、今ある情報を正確に提供するのも重要と思います。
26日の時点で、厚労省のウェブサイトにこのことが掲載されませんでしたね。
とにかく、あらゆることがマスメディアが先行して報道されるのは大いに問題です。
正確に報道してくれればいいのですが、メディアによっては見出しなど誤解を生むような記事など目に余ります。
厚労省は日医に文書で23日に事務連絡ができたのですから、なぜ即日ホームページにアップすることができないんでしょうね。