23日の第1報(TOPICS 2009.10.23)に続き、続報が厚労省・日医HPなどに掲載されています。下表にまとめてみました。(随時更新予定)
新型インフルエンザワクチンの接種後の死亡事例の報告
(厚労省HPにリンクしてあります。No.の番号をクリックしてさい)
No. | 発表日 | 性別 年齢 |
死因等 | 基礎疾患・既往歴 | 因果関係 | ワクチン LOT |
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1 | 2009.11.13 | 男性 70歳代 |
急性呼吸不全 | 肺気腫による慢性呼吸不全の状態 | 本剤との関連なし | 化学及血清療法研究所 SL02A |
2 | 2009.11.16 | 男性 80歳代 |
呼吸不全 | 肺気腫による慢性呼吸不全の状態 | 評価不能 | 阪大微生物病研究会 HP01A |
3 | 2009.11.16 | 男性 70歳代 |
心筋梗塞 | 糖尿病、高血圧、心筋梗塞、アルコール依存症、低血糖性脳症、(認知症) | 評価不能 | 阪大微生物病研究会 HP01A |
4 | 2009.11.17 | 女性 80歳代 |
間質性肺炎の悪化 | 間質性肺炎、心不全及び肺性心(在宅で酸素吸入) | 本剤との関連なし? | デンカ生研 S2-A |
5 | 2009.11.18 | 男性 80歳代 |
新型接種→季節性接種→発熱→呼吸頻回→喘鳴→呼吸停止 | 脳梗塞、えん下性肺炎 嚥下性肺炎を繰り返し入院中、中心静脈栄養管理 |
本剤との関連なし 季節性との関連? |
デンカ生研 S2-B (季節性 北里研 FB015B 併用) |
6 | 2009.11.18 | 男性 80歳代 |
発熱→タミフル・麻黄湯投与→間質性肺炎 | 肺気腫、胃がん | 評価不能 | デンカ生研 S2-A |
7 | 2009.11.18 | 男性 60歳代 |
腹腔内出血(癌の破裂疑い) | 肝硬変、肝細胞癌(破裂の危険が指摘) | 本剤との関連なし | 化血研 SL02A |
8 | 2009.11.18 | 女性 70歳代 |
心肺停止状態で発見 | 慢性腎不全(21年間透析)、腎がん、転移性肺がん、高血圧、糖尿病 | 本剤との関連なし | 化血研 SL02A |
9 | 2009.11.19 | 男性 80歳代 |
慢性心・腎不全の悪化 | 慢性腎不全、心不全、消化管出血 | 本剤との関連なし | 化血研 SL04B |
10 | 2009.11.19 | 女性 70歳代 |
呼吸不全増悪で入院中、病態急変 | 慢性閉塞性肺疾患、肺高血圧症、肺性心 | 本剤との関連なし | デンカ生研 S1-B |
副反応の報告頻度(11月9日時点までの副反応報告に基づく暫定値)
副反応報告頻度 | 全体例(人)(%) | 重篤例(人)(%) |
---|---|---|
国立病院機構2万人コホート調査 | 58(0.27%) | 5(0.03%) |
自発報告例 (対医療機関納入数量からの推定値) |
||
10/19〜25 接種分 | 248(0.029%) | 16(0.0019%) |
10/26〜11/8 接種分 | 288(0.023%) | 23(0.0019%) |
注)
・11月8日までの推定接種差数は2,099,146人
・平成20年度の季節性ワクチン重篤副作用報告の症例頻度 0.0003%
・接種医療機関の協力をいただき、積極的に報告いただいていることから、副反応報告の頻度は、薬事法に基づく従来の自発報告よりも高いものと考えられる。
報告の際の副反応の重篤度の基準:
治療のために入院又は入院期間の延長、障害、障害につながるおそれ、死亡、死亡につながるおそれ、これらに準じて重篤、後世代における先天性の疾病又は異常。
初期2万例コホート調査(速報)
国立病院機構67病院の医療従事者(接種者の総数 22,112例)を対象に、接種初期の重大な安全性の問題を捉える等のために、接種者全員から接種後の詳細な健康状況の報告を収集しているもの。
期間 | 重篤 | 非重篤 | 合計 |
---|---|---|---|
10月19日 〜10月22日 |
4例* |
3例 アナフィラキシー(1) 発熱(2) |
7例* |
10月23日 〜10月29日 |
1例* 嘔吐(回復)(1) (具体的症例→リンク) |
16例 発熱(39℃以上)(8) じんましん(4) 全身倦怠感・咽頭痛・前胸部痛、全身発疹、頭痛・食欲不振、 頭痛・下痢・嘔吐(各1) |
17例* |
10月30日 〜11月9日 |
1例 末梢性めまい(回復)(1) (具体的症例→リンク) |
34例 39℃以上の発熱(12) じんましん(7) 湿疹(2) 39℃以上の発熱関節痛・咳、肘を超える局所の異常腫脹、喘息発作・発熱、 喘息発作・皮膚搔痒・頭痛、 倦怠感・頭痛・腹痛・下痢、 倦怠感・両上・下肢の脱力感、 頭痛、頭痛・下痢・嘔吐、 上下肢筋肉痛、下痢、 皮疹、中毒疹、咳(各1) |
35例 |
合計 | 5例 | 53例 | 58例 |
注)国立病院機構の報告については、現時点では治療を要する副反応のみの集計。治療を要さず非重篤と判断された副反応については、調査研究報告に集計される予定(11月中旬)。
注)*11日発表で、重篤事例1例が削除されています(10月19日〜29日分のうちの1例)
「受託医療機関における新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種実施要領」に基づき医療機関から報告されたもの(自発報告例)
ワクチン接種を行っている医療機関(受託医療機関)において、接種後の副反応がみられたケースのうち、医療機関の自発的な判断により報告された事例を集計したもの。
期間 | 重篤 | 非重篤 | 合計 |
---|---|---|---|
10月19日 〜10月22日 |
2例 アナフィラキシーショック(1) 吐気(1)いずれも、回復又は軽快 (具体的症例→リンク) |
23例 じんましん(9) アナフィラキシー、全身の発疹、局所の異常腫脹(各2) アナフィラキシーショック、動悸・気分不良・血圧上昇、発熱、インフルエンザ様症状、呼吸困難・SpO2低下、顔面の搔痒、意識消失・吐気、頭痛(各1) |
25例 |
10月23日 〜10月29日 |
11例 アナフィラキシー(軽快又は回復)(3) 発熱(軽快又は回復)(2) 発熱、発疹、肝機能異常(調査中)(1) 動悸(回復)(1) 両上目瞼発赤腫脹、両下肢しびれ(回復)(1) 下痢、関節痛、倦怠感、頭痛(軽快)(1) 上腹部痛、下痢、倦怠感(軽快)(1) しびれ(両手〜両肘下)(回復)(1) (具体的症例→リンク) |
146例 じんましん(28) 吐気(12) 発熱(12) 39.0℃異常の発熱(11) 頭痛(11) じんましん以外の全身の発疹(9) アナフィラキシー(7) 倦怠感(5) 等 |
157例 |
10月30日 〜11月9日 |
26例 アナフィラキシー(11) 血管迷走神経反射(2) 39℃以上の発熱(1) 咳、頭痛、関節痛、息苦しさ、喘息(1) 急性肝障害(1) 左上肢の痛みとしびれ(1) 末梢神経炎、筋炎(1) 間質性肺炎増悪(1) 紫斑、意識障害、けいれん(1) 頭痛、めまい(1) 嘔気、血圧低下、腰・下肢痛(1) 気管支喘息発作(1) 頭痛、嘔気、嘔吐、下痢、微熱(1) 気分不快(1) 急性アレルギー性皮膚炎(1) (具体的な症例→リンク) |
328例 頭痛(45) 発熱(39℃未満)(38) じんましん(43) 嘔気(31)、発赤(27) アナフィラキシー(23) 倦怠感(22) 39℃以上の発熱(21) 嘔吐(21)、発疹(20) 下痢(17)、腫脹(17) 掻痒感(15) 血管迷走神経性反応(12) めまい(12)、関節痛(12) 熱感(10) |
354例 |
合計 | 39例 | 497例 | 536例 |
参考:
新型インフルエンザワクチンの副反応の報告状況について(新型インフルエンザ対策推進本部)
10月23日発表
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/10/dl/info1023-03.pdf
(11月17日掲載、上記と内容はほぼ同じです)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/091117-01a.pdf
10月28日発表(11月17日掲載)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/091117-01b.pdf
10月30日発表(11月17日掲載)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/091117-01c.pdf
(日医通知11月2日 p5-p11)
http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/swine/21chi3_162.pdf
11月11日発表(11月17日掲載)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/091117-01d.pdf
(日医通知11月12日)
http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/swine/21chi3_175.pdf
新型インフルエンザワクチンの副反応報告の集計について
(厚労省11月17日)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/dl/infu091117-01.pdf
関連情報:TOPCIS 2009.10.23 新型インフルエンザワクチンで6例の重篤な副反応
11月19日 18:20更新
2009年11月02日 22:15 投稿
21日、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会 安全対策調査会と新型インフルエンザ予防接種後 副反応検討会の合同の検討会が開催され、これまでに報告された新型インフルエンザワクチンの副反応状況の中間報告が示されています。(下記記事参照を)
TOPICS 2009.11.25 新型インフルエンザワクチンに関する安全性評価(中間報告)
なお厚労省は、副反応報告の状況(速報)へのリンクページを設けています。
副反応報告の状況(速報)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_rireki.html
前回(11月11日)公表以降に報告された内容の詳細が公表されています。
死亡例は累計26になっています。(元記事の修正は後日予定)
11月25日発表(11月25日掲載)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/091127-01a.pdf