1月16日のTOPICS で、英国医薬品庁(MHRA)がファイザー社や患者団体などと協力して偽造医薬品(counterfeit medicines)の危険性を伝えるキャンペーンを開始したということを紹介しましたが、英国王立薬剤師会も加わり、インターネットで医薬品を買うことの危険性を啓発する新たなキャンペーンが開始されるそうです。
Campaign launched to highlight the dangers of buying medicines online
(MHRA 2009.11.3)
http://www.mhra.gov.uk/NewsCentre/CON062554
Risks of buying medicines over the internet(MHRA)→リンク
MHRAによれば、英国の成人のうち7人に1人(15%)以上が、医療システムを経ずに処方せんなしで処方せん医薬品を処方せんのみの薬を手に入れている状況がある。医師の78%が人々の保健や潜在的に生命の危険にさらされていると感じている。また、インターネットで購入する薬の中には模造品がいくつも存在しているとしています。
MHRAでは、偽造医薬品を服用した男性の口からネズミが出てくるというあのグロテクスな啓発CMを夜11時から放映する他、ポスターの作成、街頭でのキャンペーンも行われるようです。
問題の啓発CMはこちら
http://www.realdanger.co.uk/history/
日本では、厚労省が下記のページなどで注意を呼びかけていますが、ケンコーコムによる個人輸入の問題(TOPICS 2009.10.26)への対応が示すとおり、インターネットで医薬品を購入することの危険性を積極的に伝えるということは、あまり行われていないのが現状です。
医薬品等を海外から購入しようとされる方へ(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/index.html
健康食品、医薬品、化粧品、医療機器等を海外から購入しようとされる方へ
(厚労省2008年3月 リーフレット)
http://www.mhlw.go.jp/topics/0104/dl/tp0401-1b.pdf
無承認無許可医薬品情報(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/diet/musyounin.html
ケンコーコムの個人輸入の問題について私は、個人輸入でも安心だという間違ったメッセージを消費者に与え、ネットによる医薬品購入(個人輸入)のハードルを下げてしまうのではないかということを一番懸念しています。
被害報告システムの確立や「変なものをつかんだとしても、それはあなたの責任」ではなく、英国のように薬剤師会や製薬メーカーを巻き込んだ、しっかりとした啓発活動を展開してもらいたいものです。
関連情報:TOPICS
2009.01.16 偽造医薬品の危険性を伝えるキャンペーンを開始(英国)
2009.10.26 第1・2類は、個人輸入でどうぞ(ケンコーコム)
11月6日 13:30リンク追加
2009年11月06日 01:02 投稿