厚労省は6日、12月以降に予定されていた新型インフルエンザワクチンの乳幼児・小学校低学年への接種時期について、可能であれば半月〜1カ月前倒しして今月中旬とするよう都道府県に要請する通知を行ったそうです。(こういった通知文はどうして一般に対して、即日公表しないのでしょうか)
47NEWS 11月6日
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110601000868.html
毎日新聞11月7日
http://mainichi.jp/select/science/news/20091107ddm041040017000c.html
関係学会の要請に押されての変更でしょうが、いち早く前倒しを表明していた東京都の方針も大きかったのではないでしょうか。また、保健所での集団接種の実施も求めています。スケジュールを決めて準備をすすめていた、自治体は困惑しているでしょう。
決定自体は間違ってはいないと思いますが、ワクチンの10mlの問題がわかっていたのですから、当初から集団接種も視野に入れるべきだったのではないでしょうか。問い合せに応じる、自治体・医療機関のご苦労が想像できます。
ところで、ご存じの方は目にしていると思いますが、3日の読売新聞で、薬剤師がワクチンの優先接種者にならなかったことに対し不満の声があるとの記事が出ていました。
読売新聞11月3日
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090425-436828/news/20091103-OYT1T00224.htm
また、日薬も5日の定例記者会見で、ワクチンの優先接種者についてのコメントを出しています。
新型インフルエンザワクチンの優先接種対象者について
http://www.nichiyaku.or.jp/contents/kaiken/pdf/091105_3.pdf
「地域で調整を」と言っていますが、看護師までも行き渡らないワクチンの不足の状況では、ちょっと口にしにくいですね。
会員向けへのアピールという側面もありますが、子どもへの前倒し接種が検討されている時期に外部にこういった記事などが出されるのはいかがなものかと思います。記者会見で取り上げるのなら前回に、新聞記事掲載ももう少し前の時期だったら受け入れられたかもしれませんが、「薬剤師は自分のことしか考えていない」などの声が出かねず、個人的には逆効果だと考えます。
関連情報:TOPICS 2009.11.02 新型インフルエンザワクチンの接種に関する情報
2009年11月07日 12:38 投稿
小児前倒しの件は、医療機関がいつワクチンがくるかわからず、下手に公表したら、問い合わせなどでさらに大混乱になるからできないんではないでしょうか・・・・それこそ地域レベルどころか、医療機関レベルでどの程度できるか調査しないと。
今までの分で予約もていっぱいの状態ではないかと思います。
何とか対応できる開業医では、10mlバイアルの人数分だけ集まるかどうか?ですし。
色々今まで正直に?発表しすぎて、朝令暮改なんて非難され、今は慎重になったような印象を受けました。
昨日の桝添さんの国会の質問をニュースで見ましたが・・・・「10mlバイアルは私は許可しなかった。」確かに私はそれは偉いって思います。色々なご意見があるでしょうが。でかいものをつくるより1回接種でいいのではないか?と思っています。
で。
「赤んちゃんなら50人分です」って言ってたような・・・気が・・・・聞き間違いだったらすみません。
何か・・・・ちょっとがっかりですね。
とあるブログのコメントで「医療ではなく政治であり、傷病者個人の社会復帰を目指す「治療」ではなく社会全体を疫病が流行したら発生する損失被害から防衛する「安全保障」なのです」
とあって、なるほどって思いました。
それこそその後に書いてあったのですが、未曾有の危機であって、首相の決定にすべきで、厚労省で問題を抱えてしまった(前大臣と役人)ことに、そもそも問題があったのではないか?と最近思います。
日薬は何をやっても後手後手ですね。
なぜ不満か?それは「感染を拡大させたくない」からです。
そのポイントははっきり言って欲しいものですね。
集団接種に関しては
10月13日付け厚労省通知
「新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチンの接種に関する事業実施要綱の策定について」の中で
すでに市町村の保健センター、保健所等の活用が必要となった場合、という一文があります。
10月に行われた、新型fluワクチンの説明会に参加した際、「集団接種等も考えているのか?」という質問をしましたが、「全く考えていない」という行政側の回答でした。
感染患者の診療で手一杯の一般医療機関に、ワクチン接種まで要請するのはひどい話です。この状態がいったいいつまで続くのだろう・・と暗澹たる気持ちになっているのが現状なのですから。
通知を遺漏なく実施することのみ必死で、自分たちで考えて集団接種の可能性を早くから探らなかった地方自治体の保健福祉担当部門の怠慢だと思います。
厚労省の役人もさることながら
自治体の保健福祉担当部門も専門家はほとんどおらず、医師や薬剤師がいても現場を知らないために全くあてになりません。
患者の命は現場の知恵で守っていかねばなりません。
しかし、ほんと釈然としませんね。
だいぶ前から小児が重症化して、高齢者は重症化低いって言ってたのに。
調剤薬局やその他スタッフをNoと断言して、ここまで接種対象者を制限して、小児が重症化の話もずっと無視しておきながら。
急転直下の前倒し。
最初から都道府県の判断で行っていればよかったんじゃないですか?
そしたら、迅速に反応する現場の医師は、医療従事者よりも、子供さん優先を9月中には打ち出しましたよ。
前倒しといいつつ、小児に打つワクチンはない、そうですよ。
インフルエンザに関しては特に、厚労省の失態以外の何者でもないじゃないですか?
唯一幸いなのは、感染が重症化して拡大してないことですね。
低俗な表現で申し訳ないですが、調剤薬局薬剤師に重症患者が出ないと厚労省は薬局薬剤師はインフルエンザにかかるって思わないんでしょうね。
方針変更を発表した6日の足立政務官の記者会見の動画と資料が公表されています。
新型インフルエンザワクチンの小児への接種時期の前倒し等について
(厚労省2009年11月6日発表、9日掲載)
動画:http://www.youtube.com/watch?v=dyjn1wzvIkI
資料:http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/dl/infu091109-03.pdf
「小学校4年生から中学校3年生」の基礎疾患がある人についても前倒しを要請しています
それと、この間にインフルエンザにかかった人は新型の可能性が高いので、ワクチンの接種は必ずしも必要ない(本音はして欲しくない?)という趣旨の発言もしています。
今月下旬出荷予定の4回目の新型インフルエンザ国産ワクチンの出荷量が、当初の計画より20%ほど減少するそうです。
ワクチン出荷量120万回分減 今月下旬、新型インフル
(47NEWS 11月10日 共同通信配信)
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111001000378.html
これでは、前倒しの優先接種も難しいのでは? 混乱に拍車がかかりそうです。
通知文がようやくアップされました
新型インフルエンザA(H1N1)ワクチンの
小児への接種時期の前倒し等に関する検討について
(厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部事務連絡11月6日)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/11/dl/info1106-01.pdf
内容的には、足立政務官の記者会見とほぼ同じです。