30日、第5回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会が開催され、これまでの議論の論点やパブコメを踏まえた報告書(案)が示されました。
第5回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会(2009年11月30日開催)
厚労省資料(11月30日掲載) 議事録(12月28日掲載)
上記資料3には、報告書骨子案に寄せられた主な意見とそれに対する考え方(PDF:175KB)が示されていますが、中身を見ると骨子案通りにまとめることを前提に考え方が示されています。
意見は全部で110件で、うち個人は81件でそのうちの薬剤師からのものは64件だったそうです。もっと現場の声を伝えれば、いくらか修正案が出たかもしれませんね。結局は今回のパブコメは結論ありき、ガス抜きのためのものだったのでしょう。
そして、下記のような報告書案が示されています。
内服薬処方せんの記載法の在り方に関する検討会報告書案
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/11/dl/s1130-11d.pdf
CBニュースなどによれば、委員からは、「用法」「用量」などの用語の定義を行うべきなどの意見が示され、今回の議論を踏まえて最終的な取りまとめ作業に入るとのことです。正式な報告書にはもう少し時間がかかるようです
一方、日病薬の土屋氏はコンピューターシステム用の標準用法マスタ案を提案しています。
標準用法マスタ案について
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/11/dl/s1130-11e.pdf
上記のマスタを作ることは必要なこととは思いますが、もし調剤報酬を請求するときにこれらのマスタの厳格な記載を求められることになると、今以上に必ずしも有意義とは言えない疑義照会が増えると思うのは私だけでしょうか。(個別指導もここをチェックしてつっこむんでしょうね・・・)
まだまだ少なくない手書き処方せんは、結局薬剤師が疑義照会を徹底せよとのこと。用法・服用時点などの抜けや長い名称の一般名収載の後発医薬品などの問題も、今回の検討会では結局答えが出ませんでした。おそらく今まで以上に疑義照会が増えるだけですね。非常に不満が残ります。
きっと厚労省は、処方医に対して新しい記載方法を徹底してくれるんでしょう。
関連情報:TOPICS
2009.10.20 内服薬処方せんの記載方法の在り方についてのパブコメ開始
2009.09.15 第4回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会
2009.07.30 第3回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会
2009.06.22 第2回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会
2009.06.02 第1回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会
2009.09.23 処方せん、国際基準に変更するなら「食後・食前」の明記は必要か?
参考:CBニュース11月30日(一定期間を過ぎるとログイン必要)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25400.html
11月30日 23:40更新 12月29日リンク追加
2009年11月30日 21:37 投稿
3回目あたりから、妙に雲行きがおかしいですね。
結論ありき、の消化検討会のようです。
民主党になって「勤務医・病院重視」になってきたので、余計開業医は無視・論外でこの話は決まっていくんでしょうね。
不確かな記憶ですが、院内(処方箋?・カルテ?)は1日量のままでもよかったんですよね?
実行されれば絶対混乱しますし、疑義照会すら必要のないような次元はどうなるんでしょう・・・
ちょっと思いついただけですが、カマ1gの分1か分2.
この程度の薬ならまだいいでしょうけど・・・・デパケンの200mgだと・・・・少ない量を使うDrならあるかもしれないし・・・・
照会の手間もさることながら、ちゃんと答えていただけるのか・・・・不安ですね。
しかし、これがいいって思った決めました!って簡単にお考えですが、変更後は間違いないように疑義照会の徹底を薬剤師が十分注意するように指導した、なんて次元ですむ話でしょうか?
この変更によるミスなど、誤投薬などは、「絶対」起こります。
決定する方にも過失責任が生じる次元の話ではないでしょうか?
その覚悟を持って決定しているのでしょうか?
検討会のメンバーをはずれれば関係ない、とか、役所の担当部署をはずれれば関係ないなんて人たちに決められるのは何か釈然としません。
日経ビジネスで読んだのですが、「・・・・何時間喋ったところで、何も通じるものではないと腹をくくれる人物でないと時代に合わない。」との記事を思い出しました。
しかし、医師会はあまり興味を示していませんが・・・・オンライン化以上のドタキャンすったもんだ・・・がありそうです。
そして、処方箋が混在し・・・・無理とわかっていても、こういう場合に必要なのが「組織」だと思いますが。
12月28日に議事録がアップされました。(元記事にリンク)
議論の後半の部分で、完全実施のXデーをいつにするのかでさまざまな意見が出ています。
10年後の平成30年度末というのが大勢という印象ですが、委員から「学生が卒業して現場に出ましたと。在るべき姿を教わってきて、現場でその在るべき姿をやらせてもらえず、延々それに慣れてしまえば、またそれはそれで何の意味もない」(花井委員)といった意見が出されているように、あまり長いのもどうかと思います。
一方、手書き処方の対策ですが、報告書案には示されていませんでしたが、第3回検討会で示された縦線が入るような書式を導入する方向が検討されているようです。