27日、厚労省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会が開催され、下記の品目についての審議が行われ、部会として了承されました。12月に開催される薬事分科会を経て(ビクトーザについては改めて審議)承認される見通しです。来春には薬価収載となるのでしょうか。
いつもは紹介しない新薬情報ですが、今回は現場で目にすることが多そうな薬剤が目白押しなので、薬事日報の記事を元にまとめてみました。
薬品名 (メーカー名) |
成分名 | 効能・効果 | 備考 |
---|---|---|---|
ビクトーザ皮下注18mg (ノボノルディスクファーマ) |
リラグルチド(遺伝子組み換え) | 2型糖尿病 | 国内初のGLP-1アナログ製剤 |
エクア錠50mg (ノバルティスファーマ) |
ビルダグリプチン | 2型糖尿病 | シタグリプチンに次ぐ、2番目のDPP-4阻害薬 |
サインバルタカプセル20mg、同カプセル30mg (塩野義) |
デュロキセチン塩酸塩 | うつ病・うつ症状 | セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI) |
レミケード点滴静注用100 (田辺三菱製薬) |
インフリキシマブ(遺伝子組み換え) | 尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿砲性乾癬、乾癬性紅皮症 | 適応症の追加 |
ザラカム配合点眼液 (ファイザー) |
ラタノプロスト/チモロールマレイン酸塩 | 緑内障、高眼圧症 | 1日1回の点眼で済む合剤 |
デュロテップMTパッチ2.1mg、同4.2mg、同8.4mg、同12.6mg、同16.8mg (ヤンセンファーマ) |
フェンタニル | 非オピオイド鎮痛剤および弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な、中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る) | 適応症の追加
(癌性疼痛以外にも処方?) |
エックスフォージ配合錠 (バルティスファーマ) |
バルサルタン80mg・アムロジピン5mg | 高血圧症 | ARBとCa拮抗薬との合剤 |
レザルタス配合錠LD、同HD (第一三共) |
オルメサルタン10mg・アゼルニジピン8mg、 オルメサルタン20mg・アゼルニジピン16mg |
高血圧症 | ARBとCa拮抗薬との合剤 |
献血ベニロン‐I静注用500mg (化学及血清療法研究所) |
乾燥スルホ化人免疫グロブリン | チャーグ・ストラウス症候群またはアレルギー性肉芽種性血管炎(ただし、ステロイド剤が効果不十分な場合に限る)における神経障害の改善 | オーファン指定 |
これで、発売間近のシタグリプチン(ジャヌビア・グラクティブ)に次いで、相次いで糖尿病治療の新機序の薬剤が加わることになり、糖尿病治療の戦略も大きく変わりそうです。
11月20日に行った第103回アポネット研究会でもこれらについて詳しく学習したのですが、質疑応答の中ではこの新機序の薬剤の効能を薬情にどう記載するかが焦点となりました。また、現場の医師の期待も大きい一方、1年間は長期投与不可のため、倍量処方が続出するのではないかといった懸念も示されています。
参考:
【医薬品第一部会】国内初のGLP-1製剤受容体作動薬が承認‐2番目となるDPP-4阻害薬も
(薬事日報 HEADLINE NEWS 12月1日)
http://www.yakuji.co.jp/entry17394.html
医薬品第一部会 新規糖尿病薬GLP-1アナログが通過 分科会審議へ
(ミクス ONLINE 11月30日)
http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/38259/Default.aspx
2009年12月01日 18:01 投稿
ほとんどの新医薬品は、3月30日の中医協で4月16日の薬価収載が決まったようですが、ビクトーザは薬価の折り合いがつかず、中医協に薬価が示されなかったそうです。(つまり、保険で使えるのはさらに先ということ)
【厚労省】新薬10成分を薬価収載‐配合剤特例を2成分に適用
(薬事日報 HEADLINE NEWS 2010年4月1日)
http://www.yakuji.co.jp/entry18709.html
第170回中央社会保険医療協議会(2010年3月31日)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/s0331-12.html