北京市は17日、新型インフルエンザ治療用の中薬(漢方薬)“金花清感方”の開発に世界で初めて成功したと発表しています。
この“金花清感方”は北京の複数の医学研究機関の共同研究によって開発されたもので、タミフルの効果とはほぼ同じだということです。来年1月に中国政府の生産許可が下り次第、市内の病院で使用を始める計画とのことです。
中国、初の新インフル漢方薬剤を開発
(中国国際放送 12月17日)
http://japanese.cri.cn/881/2009/12/17/146s151885.htm
WHO高官、新インフル対応の漢方薬に期待
(中国国際放送 12月17日)
http://japanese.cri.cn/881/2009/12/17/147s151895.htm
薬剤師的にはどういう生薬で構成されているか興味あるところですが、北京市が行った記者発表をみると、日本の共同通信(?)の記者の「新しい生薬が使われているのか?」という質問に対して、「麻杏甘石湯と銀翹散を基に処方が作られている」と答えています。さすがに具体的な生薬名までは明かしていませんね。
北京市中医药防治甲型H1N1流感“金华清感”新药研发情况通报会
(北京市ウェブサイト、中国語です。うまく表示できない場合があります)
http://www.beijing.gov.cn/zbft/szfxwfbh/wz/t1097184.htm
ただ一部報道では、麻黄・石膏・苦杏仁・金銀花・浙貝母が含まれていると伝えています。おそらく、これ以外の生薬も含まれていると思いますが、中医学を学んでいる方でしたらおおよそ検討がつくことでしょう。
大陆发佈全球首个治疗H1N1中药「金花清感」(全玉新聞 2009.12.17)
http://dailynews.sina.com/gb/chn/chnoverseamedia/cna/20091217/0024969328.html
参考:新型インフル用漢方薬を開発 世界初と北京市が発表
(47NEWS 12月17日 共同通信配信)
http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009121701000646.html
2009年12月18日 00:22 投稿
下記北京日報の記事を見ると、柴胡・黄ごんを含む20種類以上の生薬で構成されているようです。
本市公布首个治疗甲流中药方(北京日報 2009.12.18)
http://www.bjd.com.cn/bjxw/bjsz/ssxw/200912/t20091218_551814.htm
浅田家の柴葛解肌湯に近いものなのでしょうか。
一方、北京市では11月に“兒童清感2号方”というのも発表しています。こちらは、処方が公開されています。“金花清感方”との関連もあるかもしれません。
兒童清感2号方(漢方まんだら 11月9日)
http://youjyodo.cocolog-nifty.com/kimagure/2009/11/2-75f0.html
“清感2号方”防治儿童甲流 20家中医医院有售(北京日報配信 12月9日更新)
http://www.medste.gd.cn/pubmed/ArticleShow.asp?ArticleID=260986