ロキソニンOTC品の添付文書(案)

 TOPICS 11.27 で、ロキソニンとアレジオンのスイッチが了承されたことを紹介しましたが、12月21日に開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会で、添付文書(案)が示されています。

薬事・食品衛生審議会薬事分科会(2009年12月21日開催)
 WAM NET資料(12月24日掲載)

資料25 医薬品ロキソニンS、ロキソ、リファインSの製造販売承認の可否について

上記資料によれば

効能・効果
  • 頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛
  • 悪寒・発熱時の解熱
用法・用量
  • 症状があらわれた時、成人(15歳以上) 1回1錠(60mg)を、なるべく空腹時をさけて水又はお湯で服用
  • 1日服用回数は2回まで。ただし、再度症状があらわれた場合には3回目を服用できる。
    (服用間隔は4時間以上おいて下さい)
使用してはいけない人
  • 本剤によるアレルギー症状を起こしたことがある人。
  • 本剤又は他の解熱鎮痛薬、かぜ薬を服用してぜんそくを起こしたことがある人。
  • 15歳未満の小児。
  • 医療機関で次の治療を受けている人。
    胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病、心臓病
  • 医師から赤血球数が少ない(貧血)、血小板数が少ない(血が止まりにくい、血が出やすい)、白血球数が少ない等の血液異常(血液の病気)を指摘されている人。
  • 出産予定日12週以内の妊婦
その他、してはいけないこと
  • 本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も服用しないで下さい
    他の解熱鎮痛薬、かぜ薬、鎮静薬
  • 服用時は飲酒しないで下さい
  • 長期連用しないで下さい

 イブプロフェン製剤と比べ、服用できない人が多くなっており、店頭でのスクリーニングが重要になります。

また、注意事項ではイブプロフェン製剤にはない下記の事項があります。

次の場合は、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、歯科医師又は薬剤師に相談して下さい
  • 本剤のような非ステロイド性消炎・鎮痛剤(NSAID)を服用後、過度の体温低下、虚脱(力がでない)四肢冷却(手足が冷たい)などの症状があらわれることがあります。その場合には、直ちに服用を中止し、医師、歯科医師又は薬剤師に相談して下さい。
  • 服用後、消化性潰瘍、むくみがあらわれた場合には、直ちに服用を中止し、医師、歯科医師又は薬剤師に相談して下さい。また、まれに消化管出血(血を吐く、悪心・嘔吐、腹痛、黒いタール状の便、血便等があらわれる。)、消化管穿孔(消化管に穴があくこと。悪心・嘔吐、激しい腹痛等があらわれる。)の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けて下さい。

 注意事項についての情報提供も重要となりますね。

 いずれにせよ、薬事法改正後初めての大型スイッチ品です。どのように販売が行われるか、試金石になることは間違いないでしょう。

 一方、アレジオンのスイッチ品の添付文書(案)も示されています。

資料24 医薬品エスタック鼻炎24、エスタック鼻炎錠24の製造販売承認の可否について

 こちらは、肝臓病の診断を受けた人は使用不可になっています。

関連情報:TOPICS 2009.11.27 ロキソニン、アレジオンがスイッチへ


2009年12月24日 17:56 投稿

コメントが3つあります

  1. アポネット 小嶋

    3月1日に、11月25日に開催された薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会の議事録が掲載されています。

    薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会議事録(2009年11月25日)
     http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/11/txt/s1125-27.txt

    ロキソニンのスイッチ品は、頓用ということで12錠の小包装のみとなるようです。価格はいくらに設定されるのでしょうか? (予想800円〜980円の間?)

    また、使用上の注意を分かりやすく解説する「使用者向け情報」というのも作成されているようです。議事録によれば、これは医療用医薬品で作成されている「患者向け医薬品ガイド」に準じたものだそうです。

  2. アポネット 小嶋

    PMDAのウェブサイトに、ロキソプロフェン水和物についての承認に関する情報が掲載されました。

     審査報告書→リンク 申請資料概要→リンク

    OTC版の承認申請は、医療用医薬品のデータを元に行われているそうです。

    今回の承認申請は、イブプロフェン以外にOTC薬のNSAIDsが承認されていないことも背景にあるようです。

    注意事項の記載の根拠などが示されていますが、ということは、処方せんで調剤する場合も、これに準じた情報提供が必要ということになるのでしょうか。

    また、劇薬解除の理由についても記されています。

  3. アポネット 小嶋

    「ロキソニンS」の販売名で、12錠入り648円(税込680円)の一アイテムのみで、2011年1月21日の発売が決まったそうです。(まずまずの価格設定ですね)

    小冊子タイプの「使用者向医薬品ガイド」というのが作成され、薬局向け説明書よれば、適正使用使用の徹底のために、販売時に薬剤師から購入者にこの「使用者向医薬品ガイド」を使って、説明し、渡すことが義務付けられているとしています。(第一類医薬品の説明文書に替わるものだそうです)

    まだ実物を見ていませんが、直径・重量・添加物の成分が医療用と同じになっており、製剤自体は医療用と同じかもしれません