「究極の門前薬局」問題、20日に決着か(足利市)

 日経DIなどで全国的に有名になってしまった「究極の門前薬局」問題(TOPICS 2009.11.26   TOPICS 2009.09.10 TOPICS2009.08.07)ですが、いよいよ20日に開催される臨時の市議会で決着をみそうです。

足利市の調剤薬局整備 20日の臨時議会で採決(下野新聞1月16日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20100115/269563

調剤薬局に関する臨時議会1月20日開会決定
(足利市長大豆生田実ブログ1月15日)
 http://www.j-beans.jp/archives/2010/01/15/211921.php

足利市議会からのお知らせ
 http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/005gikai/osirase/osirase.htm

 記事の通り、今回の議会は建物の設計委託費を補正予算に盛り込むかどうかを審議するもので、承認されれば整備計画の事実上のゴーサインとなります。

 議決の行方は、複数の議員からの情報でも承認されるかどうかは微妙のようですが、来年春に行われる市議会議員選挙を睨んで、有権者から反感をもたれなくないとして、賛成にまわる人も出てくるのではないかという声もあります。(これが事実だったら、市会議員も情けないですね)

 しかし、一市民の立場から苦言を呈すれば、税収減の中で1億5千万円もの市税が投じられる事業にもかかわらず、

  • 足利市民は、そして足利赤十字病院にかかるだろう患者としては、競馬場の敷地内に薬局を設けさせていただくことは何より患者さんの利益にかなうことだという視点に立って、国の規制が大きく立ちはだかっているわけでございますけれども、それに対しては、やはり戦っていきたい。(→9月定例議会議事録・19ページ)
  • 地方の実情に合わせた医薬分業のあり方、これをやはり国に認めていただきませんと、本当の意味での議員のおっしゃる地方主権というものは成り立たない。(→9月定例議会議事録・20ページ)

 といった考えだけで、推し進めてしまうのはやはり疑問が残ります。

 また、4店舗を整備するというのも心配です。もちろん出店される方は努力するでしょうが、3年程度で撤退するところが出てくるだろうという見方が一般的です。そのとき困るのは利用している患者さんです。もし、整備が決定した場合はそういったリスクもきちんと検討してもらいたいと思います。

 さらに、複数の店舗からできるだけ多くの家賃収入を得るというのも問題はないのでしょうか? 「いつから市は不動産業を始めたんかい」「やくざの所場代みたいだね」と揶揄する声も耳にします。総務省や厚労省が、地方で決めることであり何ら問題ないというのなら仕方がありませんが、いわば強い立場でこういったこと(市による薬局の経営支配)を自治体が行っていいのかどうかは検討されるべきだと思います。

 8日、9日に行われた市民向けの説明会はどちらも参加者は40名ほどで、今回の整備計画は市民にとって必ずしも関心があるわけではありません。薬局が近くにあればよいというのは誰でも思うことですが、単年度で1億5千万円もの費用がかかるこの事業が、市民にとって今本当に必要な事業なのかどうか、もう一度冷静に検討してもらいたいものです。

足利市議会議事録(調剤薬局というキーワードを入れて検索して下さい)
 http://www.kaigiroku.net/kensaku/ashikaga/ashikaga.html

全ては患者さんのために(足利市長の部屋 12月9日)
 http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/004_sityo’s_room/mayor_message/mayor_message.htm

足利競馬場跡地への調剤薬局整備に関する基本方針について(足利市)
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関連情報:TOPICS
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2010年01月16日 16:34 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    20日の RISFAX の HEADLINE で取り上げられています。

    どのような結果になるか、注目です。