デキストロメトルファン濫用で小学校がパニック(タイ・バンコク)

 日本ではほとんど注目されていないデキストロメトルファン(DXM)の濫用問題ですが、タイのバンコク市内のある小学校で、4〜6年生の児童83人がDXMの錠剤を過量服用して、緊急搬送された騒ぎを地元各紙が伝えています。

 各紙によれば、複数の6年生の児童が学校そばのコンピューターゲームショップで購入したDXM(ビタミンCと偽ってという記事も)の錠剤を、「飲むと元気になる」「教師に叩かれても痛みを感じなくなる」などと言って、他の生徒に転売、さらに「肌が白くすべすべになる」「気分が高揚する」などと評判が広がり、4〜6年生の児童多数が1度に数錠から20錠を飲んでしまったというのが原因で、学校の先生らが濫用に気付いたときには、めまい、不整脈、激しい頭痛などを訴える児童が続出、救急車で何人もが病院に搬送されたそうです。(12人が胃洗浄を受けるなど重症)

 DXMが、ゲームショップで薬剤師以外の人によって売られている(タイのドラッグストアでは薬剤師が1日3時間勤務していればいいらしい)というタイの薬事制度の不備も問題ではありますが、当局は「過量服用の危険性」についての消費者教育の不十分さも問題視しているそうです。

 記事によれば、タイではくすり教育は小学校でも行っている(うまくいってないようですが)とのこと、日本でも子どもたちに小さいウチから「薬は決められた量を守ること」「体にいいからといって、中身の分からないものは飲まないこと」くらいは、教えていた方がいいかもしれませんね。

 DXMは、日本では第2類であり、医療用医薬品のメジコン錠を100錠単位で販売されていることを考えると、こういった濫用に伴うトラブルが日本でもないのか、いつも気がかりです。

関連情報:TOPICS
  2008.12.28 OTCの不適切な販売は、店舗だって行っている
  2005.04.06 厚労省、処方せん医薬品等の取り扱いについて通知(コメント)
  2006.12.06 急増するデキストロメトルファンの濫用(米国)(最近の話題旧サイト)

参考:
「元気になる」 せき止め薬大量摂取、タイ小学生80人が病院送り
 (newsclip.be タイ発ニュース速報サイト 2月4日)
 http://www.newsclip.be/news/2010204_026541.html
せき止め薬の過剰服用で生徒が入院(バンコク週報2月4日)
 http://www.bangkokshuho.com/news.aspx?articleid=9395
Kids in school overdose scare 80 students fall ill, rushed to hospital
(Bangkok Post 2010.2.4)
 http://www.bangkokpost.com/news/local/32233/kids-in-school-overdose-scare
Pills you can’t pop(Bangkok Post 2010.2.4)
 http://www.bangkokpost.com/news/local/32235/pills-you-can-t-pop


2010年02月05日 01:50 投稿

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