5日の官報で、4月からの薬価や診療報酬についての事項が告示されました。インターネット官報で、30日間見ることができます。
インターネット版官報
http://kanpou.npb.go.jp/
薬価は、号外46号の「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部を改正する件(同七〇)」に、内服薬は144ページから227ページ、注射薬は227ページから269ページ、外用薬は269ページから294ページに掲載されています。
注目の薬品は下記のように大幅な値下げとなりました。(誤りがある場合があります。官報等でご確認下さい)
薬品名 | 新薬価 | 旧薬価 | 下落率 | 備考 |
---|---|---|---|---|
アクトス錠15 | 84.60 | 98.60 | -14.2% | 市場拡大再算定 |
アクトス錠30 | 158.00 | 184.00 | -14.1% | 市場拡大再算定 |
グリベック錠100mg | 2749.00 | 3128.50 | -12.1% | 市場拡大再算定 |
アムロジン錠2.5mg | 34.50 | 40.20 | -14.2% | 新ゾロ |
アムロジン錠5mg | 64.00 | 75.60 | -15.3% | 新ゾロ |
ノルバスク錠2.5mg | 35.30 | 40.80 | -13.5% | 新ゾロ |
ノルバスク錠5mg | 64.90 | 75.60 | -14.2% | 新ゾロ |
アテレック錠10 | 66.60 | 77.70 | -14.3% | 新ゾロ |
タナトリル錠5 | 69.20 | 78.40 | -11.7% | 新ゾロ |
エースコール錠2mg | 77.80 | 89.90 | -13.4% | 新ゾロ |
エバステル錠5 | 117.90 | 139.50 | -15.5% | 新ゾロ |
ローコール錠30mg | 113.30 | 132.40 | -14.4% | 新ゾロ |
アンプラーグ錠100mg | 145.20 | 170.30 | -14.7% | 新ゾロ |
オゼックス錠150mg | 100.20 | 113.40 | -11.6% | 新ゾロ |
ムコスタ錠100 | 19.30 | 22.10 | -12.7% | 新ゾロ |
カソデックス錠80mg | 1042.60 | 1216.40 | -14.3% | 新ゾロ |
フォサマック/ボナロン錠5mg | 115.20 | 135.1 | -14.7% | 新ゾロ |
フルイトラン錠1mg | 6.30 | 9.70 | +52.4% | |
ムコダイン細粒10% | 16.40 | 20.50 | -20.0% | |
アベロックス錠400mg | 491.80 | 495.50 | -0.8% | |
アリセプト錠5mg | 427.50 | 433.80 | -1.5% | |
メバロチン錠10 | 112.20 | 124.40 | -9.8% | |
リポバス錠5 | 128.90 | 141.70 | -9.0% | |
ブロプレス錠8 | 150.30 | 162.10 | -7.3% | |
ディオバン錠80mg | 125.30 | 136.20 | -8.0% |
また、最低薬価6.2円から5.6円に下がったものがGE品を中心に多くあります。
一方、新薬創出・適応外薬解消等促進加算は今回624品目が該当し、アボルブ、グレースビッド、ケテック、セレジスト、タミフル、チャンピックス、ファロム錠など303品目で薬価が維持された他、最近上市された新薬の多くが、1.5%以下の下落に留まっています。(あえて、在庫を絞ることはない?)
【厚労省】改定薬価を告示‐624品目に新薬創出加算
(薬事日報 HEADLINE NEWS 3月5日)
http://www.yakuji.co.jp/entry18363.html
なお、成分名ごと(分類番号順)では、下記のページに新しい薬価が掲載されていますのでご参考下さい。
平成22年度 診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品について
(厚労省2010年3月5日掲載)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/03/tp0305-1.html
また今回は、メディア向けプレゼンテーションも行われ、YouTubeに動画がアップされています。
平成22年度診療報酬改定説明会(2010/03/05)
http://www.youtube.com/view_play_list?p=046430350D0DAACF
平成22年度診療報酬改定説明会(平成22年3月5日開催)資料等について
(厚労省2010年3月5日)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/setumei.html
調剤報酬に関する動画は約46分あります
平成22年度診療報酬改定説明会 (5)調剤・薬価
http://www.youtube.com/watch?v=Mv5tnLplmXA&feature=PlayList&p=046430350D0DAACF&index=4
平成22年度調剤報酬改定及び薬剤関連の診療報酬改定について
(厚生労働省保険局医療課 2010年3月5日)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/setumei_05.pdf
上記13ページには、ハイリスク薬を対象とした薬学的管理指導の標準的な方法などが記載されています。
資料:平成22年度診療報酬改定について
(厚労省2010年3月5日)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/index.html
関連記事:
薬価改定 長期品下げ率平均8.5%、10%超の品目も
(日刊薬業WEBフリーサイト2010年3月5日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226552542317.html?pageKind=outline
薬価改定 新薬加算対象337成分624品目
(日刊薬業WEBフリーサイト2010年3月5日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226552542800.html?pageKind=outline
3月5日15:40、18:40更新
2010年03月05日 12:25 投稿
動画のうち、質疑応答を見ました。気付いた点を下記に列挙します。
(あとでQ&Aが出るようなので、正確にはそちらで確認して下さい。)
・後発医薬品体制加算の経過措置(10%変動幅)は、1〜3月実績分のみ
(6〜9月実績でクリアできなければ変更届が必要)
・2〜4月実績で届け出行う場合には経過措置は適用されない
・届け出は4月14日まで。加算の算定を行わない場合は届け出は不要
・除外医薬品に漢方薬は含まない
・一包化加算の算定要件は従来通り
・ハイリスク加算の対象となる医薬品は、薬効分類に含まれるもので判断
・指導方法は、日薬が示したガイドラインに沿って行い、
薬歴上はっきりわかるよう記載
関連通知も掲載されました。
処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-065.pdf
「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品」について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-066.pdf
また、官報から告示薬価を抜粋したものも掲載されています。
(ダウンロードはこちらの方が楽です)
使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部を改正する件(告示)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-035.pdf
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-033.pdf
特定薬剤管理指導加算(ハイリスク加算)については、次のような記載があります。
ア.特定薬剤管理指導加算(「注4」に規定する加算をいう。以下同じ。)は、処方せん
の受付の際に、特に安全管理が必要な医薬品について、患者の服用状況、効果の発現状
況、注意すべき副作用に係る自覚症状の有無及び当該症状の状況、注意すべき併用薬の
有無等について確認するとともに、過去の薬剤服用歴の記録を参照した上で、服用に際
して注意すべき副作用やその対処方法、服用及び保管に係る取扱い上の注意事項等につ
いて詳細に説明し、必要な指導を行った場合に算定する。
なお、具体的な薬学的管理及び指導の内容については、「薬局におけるハイリスク薬
の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」(日本薬剤師会)等を参照すること。
イ.特に安全管理が必要な医薬品とは、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てん
かん剤、血液凝固阻止剤(ワルファリンカリウム、塩酸チクロピジン、硫酸クロピドグ
レル及びシロスタゾール並びにこれらと同様の薬理作用を有する成分を含有する内服薬
に限る。)、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、
精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬をいう。
ウ.特に安全管理が必要な医薬品が複数処方されている場合には、そのすべてについて必
要な薬学的管理及び指導を行うこと。ただし、処方せんの受付1回につき1回に限り算
定するものであること。
エ.対象となる医薬品に関して患者又はその家族等に対して確認した内容及び行った指導
の要点について、薬剤服用歴の記録に記載すること。
日経DIをみていて、見落としに気付いたのですが、薬局でも調剤に関する明細書の無償交付が義務づけされています。
薬局での「調剤明細書」の無償交付が義務化
(日経DIオンライン3月5日 要会員登録)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201003/514406.html
医療費の内容の分かる領収証及び個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書の交付について
(厚生労働省保険局長 通知 2010年3月5日)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-063.pdf
第3項より抜粋
電子情報処理組織の使用による請求又は光ディスク等を用いた請求により療養の給付費等の
請求を行うこと(以下「レセプト電子請求」という。)が義務付けられた保険医療機関及び保険
薬局については、明細書を即時に発行できる基盤が整っていると考えられることから、領収証
を交付するに当たっては、正当な理由がない限り、明細書を無償で交付しなければならない旨
義務付けることとしたものであること。その際、病名告知や患者のプライバシーにも配慮する
ため、明細書を発行する旨を院内掲示等により明示するとともに、会計窓口に「明細書には薬
剤の名称や行った検査の名称が記載されます。明細書の交付を希望しない場合は事前に申し出
て下さい。」と掲示すること等を通じて、その意向を的確に確認できるようにすること。院内掲
示は別紙様式7を参考とすること。
12ページに記載例、15ページに局内掲示例(=別紙様式7)
日薬HPに関連通知がまとめてアップされています。(オープンアクセス)
平成22年度調剤報酬改定等に関する資料
(日本薬剤師会 3月16日掲載)
http://www.nichiyaku.or.jp/contents/houshu/default.html