米国医学研究所（IOM:Institute of medicine）は9日、湾岸戦争に従事した退役軍人の健康調査をまとめたレポートの更新版を発表しています。
Gulf War and Health: Volume 8. Health Effects of Serving in the Gulf War
（IOM 2010.4.9）
Gulf War Service Linked to Post-Traumatic Stress Disorder, Multisymptom llness, Other Health Problems, But Causes Are Unclear
（IOM Press Please 2010.4.9）
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=12835
プレスリリースによれば、今回のレポートでは、湾岸戦争の従事がPTSD、過敏性腸症候群、アルコール依存をはじめとするsubstance abuse などの健康問題と関連付けられる（＝湾岸戦争症候群（Gulf War Syndrome））とした他、広範囲にわたる慢性の痛み、線維症、筋萎縮性側索硬化症、性機能障害、交通事故などについては関連性があるとしながらも、データは十分ではないとしています。
一方、2008年に湾岸戦争退役軍人の病気に関する諮問委員会（Research Advisory Committee on Gulf War Veterans’ Illnesses）が指摘（TOPICS 2008.11.08）した、予防薬や農薬との関連性についても、データが不十分としています。
Healty Day によれば、同様の健康問題は英国、デンマーク、カナダ、オーストラリアなどの湾岸戦争従事者から見つかっている他、イラク戦争やアフガニスタン戦争に従事した人からも見つかっているとしていて、健康問題の原因がストレスによるもの（遺伝子の変異？）か、化学物質によるものかの結論はまだまだ先になりそうです。
関連情報：TOPICS 2008.11.18 湾岸戦争症候群の主因は予防薬や殺虫剤
参考：Gulf War Syndrome Is Real, But Causes Unclear: Report
（HealthDay 2010.4.9）
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=637941
2010年04月10日 11:25 投稿
