タケプロンの潰瘍予防投与の承認が間近に

 23日開催の厚生労働省の薬食審医薬品第一部会で、タケプロンカプセル15及びタケプロンOD錠15の潰瘍予防投与の適応追加について審議され、了承されたそうです。

 了承されたのは、「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」で、6月にも開催される薬事分科会で承認されれば、適応追加となる見込みです。

 これで、15mg製剤の長期処方時に「逆流性食道炎の維持療法での投与」かどうかの確認(但し、アスピリン併用時。潰瘍の既往歴がない人はどうなるのでしょう?)や禁忌投与の確認の必要はなくなりますが、一方でジェネリックへの変更を行う場合には、どういった目的で処方されているを確認せざるを得なくなります。特に、今年4月から医科と調剤とのレセプトが照合されますので、厳格な対応が求められるでしょう。

 こうなってくると、潰瘍への投与期間8週間という制限も、どれだけ意味があるのでしょうね。

参考:ミクスオンライン4月26日


2010年04月26日 09:21 投稿

コメントが3つあります

  1. 三谷 宜靖

    はじめまして、いつも勉強させていただいております。
    了承されたのは、「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」はランソプラゾールに適応が承認させたのでなくタケプロン、つまり後発品対策の一環でないのでしょうか。やらしいことですが・・・

  2. アポネット 小嶋

    現場からの要望もあり、臨床試験を行っての承認申請なので、必ずしも後発品対策だけではないと思いますが、そう見られてしまうのでしょうね。

    プレタールもそうですが、ジェネリック推進を薬局に求めるのなら、複数の適応症がある医薬品については、病名(処方理由)をはっきり処方せんに明示することを義務づける必要があると思いますね。この確認だけでも多くの時間がとられますし、発行医療機関にも迷惑がかからなくて(査定でマイナス)すむでしょう。

    あと、こういった適応症の拡大は、スイッチへの足かせになるのではないかとふと思いました。

    海外ではこういったPPIはすでにスイッチされている国も少なくないのですが、こういった形でブランド力が維持されると、当然まだまだ売上も維持されるわけですから、メーカーとしてもスイッチしたいとは思わないからです。

    関連情報:TOPICS
     2009.08.28 日本は本気でセルフメディケーションを推進する気があるのか?

  3. アポネット 小嶋

    7月23日付で承認となりました。

    消化性潰瘍治療剤「タケプロン®カプセル15」、「タケプロン®OD錠15」の
    「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」にかかる
    効能追加の承認取得について
    (武田薬品工業株式会社プレスリリース 2010年7月23日)
    http://www.takeda.co.jp/press/article_38168.html

    効能・効果:
    低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

    用法・用量:
    低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合
    通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。

    ですが、実際この病名で請求する施設はどの程度あるのでしょうか?