HSDD治療薬flibanserin、FDA諮問委で審議へ

　昨年来、女性版バイアグラなどとして一般紙などでも取上げられている、独ベーリンガー・インゲルハイム社（BI社）のFlibanserin（フリバンセリン、商品名　Girosa）ですが、いよいよFDAの生殖保健薬諮問委員会（Reproductive Health Drugs Advisory Committee）で審議が行われます。

June 18, 2010: Reproductive Health Drugs Advisory Committee Meeting Announcement
http://www.fda.gov/AdvisoryCommittees/Calendar/ucm210886.htm

　Flibanserin はもともと、抗うつ薬として開発が始まった成分ですが、臨床試験の過程で女性の性的欲求が高まることが分かったことから、BI社では閉経前の女性のHSDD（hypoactive sexual desire disorder ：性的欲求低下障害）の治療（改善？）を目的に開発をすすめてきました。

　既に、PhaseＩＩＩも終了し、先週行われた米国産婦人科学会の年会でその結果が報告されています。

 Women with hypoactive sexual desire disorder (HSDD) report that flibanserin increased their sexual desire and reduced associated distress
（Boehringer Ingelheim GmbH　2010.5.19）
http://www.boehringer-ingelheim.com/news/
news_releases/press_releases/2010/19_may_2010.html

 ‘Female Viagra’ May Treat Low Sexual Desire(WebMD 2010.5.18)
http://www.webmd.com/sexual-conditions/news/
20100518/female-viagra-may-treat-low-sexual-desire

　上記によれば、Flibanserin 100mg　を毎晩、4週間服用することで効果が現れるというものですが、副作用として眠気、めまい、疲労、不安、口乾、吐気、不眠などが見られ、投与群で15％、プラセボ群で7％が服用を止めたそうです。

　Flibanserin には、脳内セロトニンの2つの受容体への作用（5-HT1A 作動、5-HT2A 拮抗）がわかっていて、研究者の一部からは Flibanserin そのものの作用ではなく、うつ症状が改善することでHSDDも改善するという意見もあり、来月開催される諮問委員会での審議が注目されます。

　諮問委員会の2日前までには、資料（臨床試験の詳細）が示される予定なので、諮問委員会が近づくとメディアがとりあげることでしょう。

参考：
女性版バイアグラ登場か、独製薬企業が臨床試験実施
（AFP BB NEWS 2009年11月18日）
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2665144/4926928
女性向け性欲高進剤、後期臨床試験で効果確認
（産経新聞 2009年11月17日）
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/091117/erp0911171842004-n1.htm

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2010年05月25日 22:18 投稿