緊急避妊薬のOTC化などにもかかわらず、若者の中絶率が低下しない英国ですが、NICE(NATIONAL INSTITUTE FOR HEALTH AND CLINICAL EXCELLENCE)は25日、緊急避妊薬へのアクセス向上を含めた、若者に対する避妊サービスについてのガイダンスの草案(DRAFT)を発表し、注目を集めています。
NICE seeks to reduce unwanted pregnancies by improving contraceptive services
(NICE Press Release 2010.5.25)
http://www.nice.org.uk/newsroom/pressreleases/
2010053ImprovingContraceptiveServices.jsp
NHS provision of contraceptive services for socially disadvantaged young people up to the age of 25
(NICE PUBLIC HEALTH DRAFT GUIDANCE)
http://www.nice.org.uk/nicemedia/live/11972/48777/48777.pdf
草案によれば、
- 避妊と sexual health services へのアクセスが容易となるよう、city center や大学、高校などでもこれらサービスを提供するようにする
- 医師、看護師、薬剤師は避妊のあらゆる方法を提供すべきである
- 緊急避妊薬が無料で入手できることを若者に周知させるようにする
- 緊急避妊薬を供給する際にあたっては、避妊と sexual health services についての情報を全ての若い女性が知っておくようにする
- コンドームは性感染症予防に必要であり、全ての若者にコンドームと潤滑油の使用を奨励しなさい
などとなっており、草案の中にはPharmacistの語句もしばしば登場します。
草案の内容は全て確認できていませんが、各紙によれば若者への緊急避妊薬の事前入手も可能とすべきとしているようで、25歳未満への緊急避妊薬の(無料)供給に大きな役割が求められるだろうといった記事もありました。英国王立薬剤師会などのコメントが注目されます。
なお、このガイダンスの草案に対し、6月23日までパブリックコメントが行われ、10月に正式ガイダンスとして発表されるとのことです。
参考:
Teenagers ‘should stockpile morning after pill’
(Telegraph 2010.5.25)
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/7760887/
Teenagers-should-stockpile-morning-after-pill.html
2010年05月26日 00:40 投稿
PJ ONLINE で記事がでています。読者からのコメントもついています。
All community pharmacists should offer contraceptive services and supply EHC in advance of need, NICE recommends(→リンク)
(PJ ONLINE 2010.5.25)
英国王立薬剤師会としてのコメントはありませんでしたが、ガイダンスに従って、緊急避妊薬の販売が行われている現状があること、性の乱れや性感染症の蔓延を助長する懸念があるとして、現場からは事前供給には否定的な意見が多いようです。