ピロリ除菌療法、潰瘍以外にも適応追加に

 大正製薬とアボットジャパン社は18日、クラリス錠・クラリシッド錠とプロトンポンプ阻害薬、アモキシシリン水和物を用いた3剤併用によるヘリコバクター・ピロリ除菌療法について、新たに効能・効果の承認を取得した発表しました。

マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン)
ヘリコバクター・ピロリの除菌療法に係る追加適応を承認取得
(大正製薬株式会社 ニュースリリース 2010年6月18日)
http://www.taisho.co.jp/company/release/2010/2010061801.pdf

 効能が追加されたのは、「胃MALTリンパ腫」「特発性血小板減少性紫斑病」「早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリの除菌療法」についてで、これに伴いPPIの先発品、アモキシシリン製品の一部(パセトシン、サワシリン、アモリン)、フラジール内服錠、ランサップの添付文書も変更されるそうです。(ということは、これ以外のジェネリックへの変更は投与目的の確認が当面必要)

 今回の適応追加は、2008年12月、日本ヘリコバクター学会が「胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、早期胃癌の内視鏡治療後の異時性胃癌発生抑制に対して、3剤併用療法が有効であることは、多くの臨床研究等によって確認されている」として、これら3疾患におけるヘリコバクター・ピロリ除菌療法の早期承認を求める要望書が厚生労働大臣に提出されたのを受け、公知の文献等を科学的根拠として、2009年9月30日に医薬品製造販売承認事項一部変更の申請により実現されたものだそうです。


2010年06月18日 18:16 投稿

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