みんなの党の川田龍平参議院議員が、OTCへのスイッチのあり方についての質問主意書を6月11日に提出し、政府は22日に答弁書を返送しています。
医療政策における「医療用医薬品」から「一般用医薬品(第一類医薬品)」への積極的な転用に関する質問主意書(参議院ウェブサイト 質問主意書)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/174/meisai/m174094.htm
今回の質問は、4月7日の厚生労働委員会で、自民党の鴨下一郎議員が行ったスイッチOTCに関連する質問(TOPICS 2010.04.08)を掘り下げた内容となって、特に下記の質問1は薬剤師にとっても心強い内容です。
第一類医薬品の販売においては、薬剤師によるカウンセリングが求められ、必要であれば医師への受診勧奨がなされるものと周知されているところである。専門家による評価が実施されているという観点から考察するならば、第一類医薬品の販売は医師による治療(キュア)と完全なる「自己判断による治療(セルフケア)」との中間に位置していると言え、両者のパイプ役として薬剤師を活用し、生活者の利便性を向上させる一方で、専門家による判断プロセスを巧みに取り入れることによって、医薬品の適正使用及び安全性確立への配慮がなされた制度設計であると評価する。
諸外国においても、例えば、英国及び豪州においては、第一類医薬品に該当する医薬品として「薬剤師管理薬(Pharmacist Only Medicine または Schedule 3)」が設定され、我が国よりもはるかに多くの成分が、処方せんを必要とする処方せん医薬品から当該分類の医薬品に転用され、薬剤師の積極的な介入の下に広く利用に供され、国民の健康増進に寄与していると聞く。
こうした諸外国の現状と比較し、我が国においてスイッチOTCが遅々として進まない理由について政府の見解を明らかにされたい。
これに対し、政府は次のように答弁しています。
お尋ねの理由としては、スイッチOTC(一般消費者が自らの判断に基づいて薬局等で購入する医薬品(以下「一般用医薬品」という。)であって、医師の処方する医療用医薬品に限って使用されていた有効成分を初めて含有することとなるもの)としての承認に伴う開発リスクと販売予測とのバランスを考慮した結果として、当該承認に係る申請があまり多くないこと等があるものと考える。
政府の答弁には不満があります(開発に踏み切らないメーカーの責任だけではないと思う)が、スイッチOTCの推進で薬剤師の職能を活用するということを述べた議員は過去にはあまり例がないと思います。
薬剤師としては、こういった質問ができる議員が国会の場に多くいると、本当に心強いです。(選挙期間中なので、これ以上のコメントはやめておきます。)
資料:
Legal status and reclassification(英MHRA)
http://www.mhra.gov.uk/Howweregulate/Medicines/
Licensingofmedicines/Legalstatusandreclassification/index.htm
Scheduling of medicines & poisons(豪州TGA)
http://www.tga.gov.au/ndpsc/
関連情報:TOPICS
2010.04.08 OTC薬は病院でもらう場合と比べた割高感の払拭も必要(厚労相)
2009.11.05 こんな進め方ではスイッチOTCが増えることはない
2008.12.05 英国におけるスイッチOTC25年の歩み
2010年07月02日 14:59 投稿
すばらしい! 川田議員の意見に賛同しました。
最近、薬剤師会主催の勉強会に参加した際には、冒頭のあいさつで
薬剤師会の支部長?が参院選の選挙について話されます。
内容は、すべて反対のものばかり・・・。
1.OTC医薬品のネット販売再開反対
2.国家公務員 薬剤師の初任給アップ(看護師より低い)
3.特定看護師制度導入の反対(調剤もされると自分たちの職域を侵される?)
そのために、某議員に投票しろだと・・・???
反対・主張の前に、自分たちが何をできるのか、
お客様・患者様、世の中のために、薬剤師はどんな貢献ができるのか、
ここの明確な意見や提案がないと、なにも動きません。
キーワードは、『セルフメディケーション』かと思います。